野生象に踏まれて男性死亡=保護と開発の矛盾で悲劇が続く―雲南省

Record China    2018年4月20日(金) 18時10分

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雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州で、男性が象に踏まれて死亡する事故が発生した。現地当局は野生象を保護しているが、一方では耕作地の開発が進んでおり、象が人を襲撃する事故が発生している。写真はシーサンパンナの野生ゾウ。

19日付北京青年報によると、雲南省シーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州で17日午後2時ごろ、男性1人が耕作地で死亡していることが確認された。野生のアジア象に襲われ、踏まれたとみられている。現地当局は野生象を保護しているが、一方では耕作地の開発が進んでおり、象が人を襲撃する事故が発生している。

州森林公安局は、死亡した男性が住んでいた小屋は完全に破壊されていたと発表。男性の遺体は小屋から10メートル離れた場所にあった。周囲には象の足跡が多数残っていた。象の襲撃は16日夜だったとみられている。

男性は63歳だった。重慶市出身で、30年近く現地で生活していた。遺体は損傷しており、身元の特定にはDNA鑑定を要したという。

アジア象は中国の一級保護動物に指定されている。中国国内での主要な生息地はシーサンパンナで、2014年の調査時の生息数は228頭だったが、現在は279頭にまで増えたとみられている。一方で、現地では森林を切り開いて耕作地にする動きが進んでおり、アジア象と住民が接触することが増えている。

現地当局は、人が象に襲撃される事故を防止するため、住民にアジア象の習性を記した教材を配布したり、小学校や村落での授業や学習会を実施している。また、24時間体制で象の群れの移動を監視し、必要に応じてSNSで情報を発信している。男性1人が死亡する事故が発生した16日にも、象の群れが移動していると警告した。

ただし、SNSによる情報発信は住民を対象にしたコミュニティー向けで、重慶市出身の男性は含まれていなかった可能性が高いという。シーサンパンナでは1月にも車両が象の群れに襲われ2人が死亡する事故が発生した。車両に乗っていたのは現地住人ではなく、SNSの警告を受信していなかった。

現地当局は、象の襲撃による死傷や資産損傷などの被害発生に備えて、「アジア象事故保険」を設立している。16日の事故については、被害者の遺族に20万元(約342万円)が支払われることになった。(翻訳・編集/如月隼人

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