シリアへのミサイル攻撃=中国が改めて非難「一方的な人道主義」「化学兵器の証拠なし」

Record China    2018年4月17日(火) 15時50分

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中国の華春瑩報道官は、米・英・仏の3カ国がシリアに対してミサイル攻撃を行ったことに対して、「国際法違反」「一方的な人道主義」などと改めて非難した。写真はシリア。

中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は16日の定例記者会見で、米・英・仏の3カ国がシリアに対してミサイル攻撃を行ったことに対して、「国際法違反」「一方的な人道主義」などと改めて非難した。3カ国はシリア政府側が化学兵器を使用したことを攻撃の理由としたが、華報道官は「証拠なし」と主張した。

米・英・仏のミサイル攻撃は現地時間13日で、中国は14日の時点で華報道官による比較的短い臨時コメントを発表する形で、攻撃を批判していた。

華報道官は16日の記者会見では、国連憲章は武力行使が認められる状況を明確に定めていると説明。化学兵器使用に対する懲罰または報復としての攻撃は国際法違反と主張した。華報道官は、米・英・仏が安全保障理事会の決議を経ないで攻撃に踏み切ったことも問題視。「一方的な人道主義の干渉として他国に武力行使することも、国際法に合致しない」と非難した。

シリアの化学兵器使用については、米・英・仏の高官も「可能性が極めて高い」と述べているだけだと指摘。「このような有罪の推定を理由に、一つの主権国家に対して軍事攻撃を発動することは無責任だ」と述べた。

化学兵器使用に対する中国の立場については「いかなる国、いかなる組織、いかなる者、いかなる状況、いかなる目的であっても、われわれは使用に反対する」と説明。シリアの化学兵器使用については全面的、客観、公正な調査を行い信頼できる結論を得られなければならないと主張し、「結論が出る前には、どの国も結果を推定してはならない」と論じた。

華報道官は、軍事力の使用はシリア問題の解決につながらないと主張。政治的な解決が唯一の選択肢と論じ、武力に訴えることは問題を複雑にし、解決を困難にするだけだと述べた。

華報道官はシリアが化学兵器を使用した証拠はないとして米・英・仏のシリア攻撃を強くする一方で、自国は化学兵器使用に徹底的に反対すると強調した。今後、シリア政府側が化学兵器を使用した証拠が出てきた場合に備えた配慮と考えられる。

また、米・英・仏の攻撃を「一方的な人道主義」とも批判した。中国は米国など西側諸国から人権や人道の問題で批判されることがあり、その際には相手の主張が「一方的」と反論することも多い。今回も「一方的な人道主義」と表現したことには、米国などが人道などを理由に行動に踏み切ることをけん制したい思惑があると考えてよい。(翻訳・編集/如月隼人

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