陸上自衛隊のイラク日報隠蔽、陸上総隊新設、「日本帝国陸軍の亡霊よみがえる」と韓国紙

Record China    2018年4月13日(金) 12時10分

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陸上自衛隊に対する「文民統制」の在り方が問われているイラク日報隠蔽問題。韓国紙では陸自の指揮系統を一元化する「陸上総隊」の新設と合わせ、「日本帝国陸軍の亡霊がよみがえる」との論調が目立っている。資料写真。

2018年4月13日、陸上自衛隊に対する「文民統制」の在り方が問われているイラク日報問題。存在を1年以上も隠していたことが発覚し、実力組織の隠蔽(いんぺい)体質がまた明らかになった。韓国紙では陸自の指揮系統を一元化する「陸上総隊」の新設と合わせ、「日本帝国陸軍の亡霊がよみがえる」との論調が目立っている。

イラク日報問題について、中央日報は「よみがえる『日本帝国陸軍』亡霊、陸上自衛隊のあきれる日報隠蔽」との記事を掲載。「陸自のどのラインまでこの事実を知っていたかはまだ明らかになっていないが、ひとまず防衛相と副大臣、政務官など防衛省を指揮する『政務三役』には一切報告されなかったと確認された」と報じた。

続いて「いったいなぜ日本社会では陸自の一挙手一投足が注目されるのか」と前置き。「過去に日本の陸軍は政府でなく天皇の軍隊だった。政府と対等な立場で、政府でなく天皇の指揮だけを受ける組織だった。内閣の陸軍大臣も現役陸軍大将が務めた。陸軍大臣が握っている軍政権も一線軍隊の軍令権もすべて陸軍が掌握した。政府のコントロールを受けない陸軍の専横は日本を軍国主義に向かわせた。陸自に対する日本社会のトラウマはそれだけに根深い」と解説してみせた。

さらに同紙が「日本国内の右翼的な声を代弁」とする産経新聞の記事に言及。「産経までもが陸自が防衛相の指示に結果的に従わなかったことは、文民統制の実効性を疑わせることになりかねないと強く批判した」と報じている。

陸上総隊に関しては「海上自衛隊には『自衛艦隊』、航空自衛隊には『航空総隊』という統合司令部が存在したが、陸自だけはそのような組織がなかった」と説明。「過去に日本が軍国主義に向かう過程で日本陸軍が独自統帥権を行使して暴走したことに対する反省からだった」としている。

ハンギョレ新聞も「第2次世界大戦以前の日本軍の暴走に対する反省と共に強調してきた軍に対する文民統制の原則が揺らいでいるとの批判があふれている」と報道。文民統制に対する憂慮が一層強いのは陸上総隊の新設で「陸自が創立以後最大規模の組織改編で『戦闘中心組織』に変わっているためだ」と指摘した。

記事は「陸自は1954年の創立以後、海自や空自とは異なり散在した部隊を統合指揮する組織がなく、5個の方面隊体制で運営してきた。このようになったのは、旧日本陸軍が満州事変中日戦争〜太平洋戦争へとつながる侵略戦争を主導して、軍国主義の総本山の役割をしたためだ」と強調。「安倍政権は北朝鮮の脅威と中国の海洋進出への警戒を理由に、陸自の長年のタブーを取り払った。陸自は先月、2100人規模で海兵隊の役割を果す水陸機動団も創設した」と問題視している。(編集/日向)

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