安倍首相が文大統領に南北会談前の訪日を要請、韓国は「外交的欠礼」と不満

Record China    2018年4月5日(木) 11時50分

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4日、揺れ動く東アジア情勢の中で「日本が疎外されている」という声もある中、安倍首相が韓国の文大統領に対し「南北首脳会談の前に日本を訪問してほしい」と要請したという報道が登場した。これについて韓国メディアは「外交的欠礼だ」と報じている。資料写真。

2018年4月4日、南北・米朝首脳会談を控え、揺れ動く東アジア情勢の中で「日本が疎外されている」という声も出ている中、安倍晋三首相が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し「南北首脳会談の前に日本を訪問してほしい」と要請したという報道が登場した。これについて韓国メディア・プレシアンは「外交的欠礼だ」と報じている。

記事は日本メディアの上記内容の報道について「南北首脳会談をおよそ20日後に控えた状況下で、文大統領が訪日することは物理的に容易ではない」と指摘し、「5月初めには韓中日首脳会談が計画されており、来週には日本外相の訪韓も決まっていることから、韓日首脳会談を緊急に開く必要性も高くないというのが一般的な見方」としている。

また韓国では、安倍首相が日本訪問を要求した背景をめぐり「現在の局面で拉致問題をどうにかして表面化させなければならないという国内の圧力が作用したのではないか」という解釈も出ているという。記事は「就任当初から拉致問題を強調してきた安倍首相が今この問題を提起しなければ、ただでさえ森友問題で政治的危機状況に置かれている中で、さらに大きな難関に直面する恐れがある」と説明している。

その上で「安倍首相にどれだけ切迫した事情があるとしても、朝鮮半島情勢を無視して他国の首脳に自国への訪問を要求するのは『外交的欠礼』ともとれる』と指摘。さらに「このような外交的欠礼は、南北に和解ムードが漂い始めた今年初めから一貫して見られる」とし、今年2月9日に平昌五輪の開幕式に出席すべく訪韓した安倍首相が、文大統領との首脳会談で「米韓軍事訓練を延期する段階ではない。予定どおり進めることが重要」と話したことを紹介。この際、文大統領は「この問題はわれわれの主権の問題であり、内政に関する問題だ。首相にこの問題を直接取り上げられるのは困る」と回答したとのこと。

記事はまた、拉致問題に対する安倍首相の対応方法についても「不適切」と指摘している。現在の日本について「朝鮮総連をはじめ北朝鮮と対話できるさまざまなチャンネルがあるにもかかわらず、拉致問題について米国や韓国に“アウトソーシング”している」とした上で、「これが拉致問題を実質的に解決したいという意志より、この問題をきっかけに南北および米朝関係の進展に歯止めをかけようとする政治的意図があるのではないかという疑念を抱かせる」と主張している。

これを受け、韓国のネットユーザーからは3000件近くものコメントが寄せられているが、多くは不満を示すものだ。中には昨年12月14日に来日した韓国の最大野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表が安倍首相と面会した際、訪日理由について「韓国政府が北朝鮮問題にきちんと対処できずにいるため」と説明したことが韓国で物議を醸していたことから、「それならジュンピョを呼んで。すぐ行くはず」と皮肉る声も上がった。(翻訳・編集/松村)

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