韓国内で波紋を広げる米国の「鼻血作戦」、北朝鮮をピンポイント攻撃、報復招き全面戦争に発展の恐れも

Record China    2018年2月11日(日) 13時50分

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米国が北朝鮮の軍事拠点をピンポイントで攻撃する「鼻血作戦」を検討中と伝えられ、韓国内で波紋が広がっている。限定攻撃で米国の軍事的優位を示す作戦だが、北朝鮮の報復を招き、全面的な戦争に発展する恐れもある。写真は板門店。

2018年2月9日、米国北朝鮮の軍事拠点をピンポイントで先制攻撃する「鼻血作戦」を検討中と伝えられ、韓国内で波紋が広がっている。戦争にならない程度の限定攻撃で米国の軍事的優位を示し、北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させることを目的にした作戦だが、北朝鮮の報復を招き、全面的な戦争に発展する恐れもある。

鼻血作戦の存在は 米国政府が1月末、戦略国際問題研究所(CSIS)韓国部長のビクター・チャ氏を駐韓大使に充てる人事案を撤回したのをきっかけ明るみ出た。朝鮮日報によると、チャ氏は大使任命のため米ホワイトハウスで行われた面接の際、「この作戦は地下深くに北朝鮮が隠している本当の核やミサイルまでは除去できず、また北朝鮮が報復に乗り出した場合は韓国にいる23万人の米国人が危険になる」との理由で反対したという。

韓国政府から同意(アグレマン)まで得た段階での大使就任取り消しは異例。チャ氏は就任撤回の直後、米ワシントン・ポスト紙への寄稿で「(トランプ政権の)複数の関係者は『鼻血作戦はリスクを取る価値がある』と考えている。あそこ(韓半島)で人命被害が発生する方が、ここ(米本土)でそうなるよりもましだからだ」と指摘した。

朝鮮日報は作戦の対象として、専門家の間で寧辺核施設(平安北道寧辺郡)、豊渓里核実験場(咸鏡北道吉州郡)、大陸間弾道弾(ICBM)「火星15」など各種ミサイルを生産する山陰洞ミサイル工場(平壌郊外)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)潜水艦基地(咸鏡南道新浦市)などが取り沙汰されている、と報道。一方で「こうした核・ミサイル中核施設は即時に北朝鮮の反撃を誘発する可能性があるため、米国は避けるだろうとの見方もある」ともしている。

作戦にはB2ステルス爆撃機、B1B爆撃機、F22・F35Bステルス戦闘機などが使われ、統合直接攻撃弾(JDAM)などを投下して、これら施設を精密攻撃する可能性がある、と想定。軍消息筋の「鼻血作戦は爆撃による被害規模が重要なのではない。米国が決意さえすればいつでもひそかに侵入して爆撃できるという恐怖心を金正恩・朝鮮労働党委員長に植え付けることが重要だ」との話を紹介している。

鼻血作戦が米国の思惑通りに進むには、金委員長が戦争拡大に対して恐れを抱き、報復攻撃に出ないことが前提となる。しかし、核やミサイルだけでなく、38度線沿いに長距離砲を並べ、1時間に最大1万5000発の砲弾をソウル首都圏に浴びせることができるとされる北朝鮮の出方は予測不能に近い。

米誌ニューズウィークなどによると、米共和党の元上院議員でオバマ米政権の国防長官だったチャック・ヘーゲル氏は米軍情報誌ミリタリー・タイムズのインタビューで、「北朝鮮による反撃で全面的な核戦争に発展する懸念が強い」と警告。「韓国で数百万人が犠牲になり、数万人の米国人も命を落とす。日本も大惨事を免れないだろう」と述べ、外交的手段による朝鮮半島問題の解決を求めている。(編集/日向)

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