大規模火災が起きた韓国の病院、“驚きの実態”に衝撃=「ありえない構造」「これは氷山の一角」―韓国ネット

Record China    2018年1月30日(火) 8時20分

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29日、韓国南東部の慶尚南道密陽にある世宗病院で起きた火災で多くの死傷者が発生する中、病院の火災対策の“驚きの実態”が明らかになった。資料写真。

2018年1月29日、韓国南東部の慶尚南道(キョンサンナムド)密陽(ミリャン)にある世宗(セジョン)病院で起きた火災で多くの死傷者が発生する中、病院の火災対策の“驚きの実態”が明らかになった。韓国・東亜日報が報じた。

記事では、26日に発生した同病院の火災の原因として「1階の給湯室天井に設置された配線がショートした」と伝えている。炎や有毒ガスを食い止める防火扉は1階になく、2階の防火扉に関しては火災当時開いていたとされ、「防火扉がしっかり管理されていれば多くの患者の死亡を防げたのでは」という指摘が出ているという。

2階の生存者によると、一部の患者は2階の防火扉を開け中央階段から1階に脱出を試みたそうだ。しかし、1階からの有毒ガスが予想より早く上がってきたことにより多数が命を落としたとされる。韓国では建築法上、建物内部から階段に通じる出入り口には必ず「防火扉」を設置しなければならないというが、実際にはなかったというのだ。しかし、設計図面には1階の扉が確認できることから、密陽市の関係者は「設計図面と異なって施工されたなら、建築法違反」と指摘している。

また、2〜5階の防火扉についても疑惑が持ち上がっているという。病院関係者は「すべての防火扉に自動開閉装置が設置されている」と主張するが、患者や職員は「2階の防火扉は開けたら自動で閉まらなかった」と証言しているそうだ。現場に出動した消防士も「2階の扉を開けると、廊下の壁はすでに真っ黒な煙がこびりついていた」と話すなど、防火扉内の天井や廊下の壁紙が1メートルほど燃えていたことから 防火扉は一定時間開いていたとみられている。警察と消防当局では現在、2階の防火扉が日常的に開かれていたか、避難過程で開かれたかについて確認中とのこと。

さらに、記事では「制限区域に閉じ込められた非常口」との見出しで「3階では緊急時に生命路になるべき非常口が『関係者以外立ち入り禁止』区域になっていた」と指摘。そのためこの非常口から脱出した患者は1人もおらず、普段からその存在すら知らなかった可能性があるというのだ。

警察では「病院の各種違法建築物が患者らの移動通路を狭めて犠牲者が増加した可能性がある」とみているという。実際に病院では08年から1階の通路をはじめ12カ所の違法増築により空間を広げてより多くの患者を受け入れてきたとされ、密陽市は11年から撤去や履行強制金を賦課するも6年間で3000万ウォン(約306万円)を出すにとどまったとしている。

病室の“過密運営”の実態も明らかになり、一部の患者はベッドに拘束されていたことから救助活動に支障をきたしたともされる。この他にも火災当時に非常用発電機が作動しなかったなど、驚くべき事実が次々に発覚している。

火災を受け、現場を鑑識した国立科学捜査研究所の研究員は「火が出た1階救急室の天井は、先月21日に大規模な火災が発生し、29人の犠牲者が出た8階建ての堤川(チェチョン)のスポーツセンター駐車場の天井と構造が似ている。火災初期に煙と有毒ガスが多く出たのだろう」と話している。

韓国のネットユーザーからは「建物自体がありえない構造だったのか」「非常口を隠すなどもってのほか」「普段から管理をしっかりしていたら」など病院への非難が相次いでいる。

また、これを「氷山の一角」とみるユーザーも多く「全国的に探したらもっと出てくるはず」「韓国の安全不感症は深刻」と忠告の声が上がり、「建築法、消防法を改正するなど規定強化が正解」との対策を提案する声も。一方で「規定を守っていたら事故は発生しない。法を無視するから事故が起こる。でも法を守っていたら経営をやっていけないのだろう」「米国は治療費が高いけどそれだけサービスがいい。韓国は薄利多売」など皮肉な現状を指摘する声も寄せられた。(翻訳・編集/松村)

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