世界の食道がん患者の半数は中国人?日本と韓国は少ないのに、原因は中国特有の習慣か―中国メディア

Record China    2019年5月17日(金) 21時20分

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中国・人民日報系のメディア、健康時報は4月29日、国際がん研究機関の調査結果を基に「世界の食道がん患者の半数は中国人である」と報じ、その原因を考察する記事を掲載した。写真は辛そうな中国料理。

中国・人民日報系のメディア、健康時報は4月29日、国際がん研究機関の調査結果を基に「世界の食道がん患者の半数は中国人である」と報じ、その原因を考察する記事を掲載した。

国際がん研究機構(IARC)は2018年9月に最新のがん統計データ「世界がんレポート」を発表し、185の国・地域における36種類のがんの発病率、死亡率のデータを明らかにした。それによると、2018年には全世界で57万2000人が新たに食道がんと診断され、50万9000人が食道がんにより死亡したという。さらに世界保健機関(WHO)の調べによると、中国の食道がんの発病率とそれによる死亡率は世界で2番目に高く、人数では世界の食道がんの発病者と死亡者数のうち、およそ55%が中国人だという。

記事は、「中国には『王は民をもって天となす』に対して『民は食をもって天となす』という言い回しが古くから存在する。また中国語では仕事のことを『茶碗』、貧しいことを『土を食べる』などと食に関連させて例えたりすることからも分かるように、中国人は食べることへの造詣が深く、食には重要な意義があると考えている。一方で中国には食道がんをはじめとする消化器系の疾病や腫瘍の発病率が非常に高いという一面もある」と指摘。「統計を見る限り、近隣の日本や韓国といった国における食道がんの発症率はそれほど高くない。それなのに世界の食道がん患者のうち約半数が中国というのは一体なぜだろうか」とし、五つの原因を挙げた。

一つ目理由は「熱いものを食べ過ぎること」だと指摘。「『熱いうちに食べなさい』という言葉は中国では愛情の現れと捉えられるし、われわれは火鍋を食べる時など、しばしば熱い鍋から取り出した食材をほとんどそのまま口に入れて飲み込んでしまうこともある。しかし、世界がん研究機構が16年にオランダのランセット誌で発表した研究では、65度以上の飲み物を飲むと食道がん発症のリスクが高まるとされており、これは今年3月にもある国際的学術誌で証明されている」と説明した。

続いて二つ目の理由は、「辛い食べ物を取りすぎること」だと指摘。「中国人は火鍋や麻辣湯、鶏の辛子炒めなど辛い料理を好み、食べ物が辛くないと物足りなく感じるほどであるが、11年10月に北京友好病院の腫瘍科副主任が発表した研究によると、極度に辛い食べ物は容易に食道の上皮を傷つけ、上皮細胞の変性を引き起こすとされている。それは上皮細胞の代謝に影響して粘膜の炎症を引き起こし、長期的には食道にがんを発症させる恐れがある」と指摘した。

三つ目の理由は「漬物を好むこと」であると指摘。「北部の白菜や大根の漬物、南部の魚やハム、ソーセージの塩漬けなど、中国人は地域を問わず漬物を好んで食べるが、こういった食品には硝酸塩や亜硝酸塩が含まれており、過剰に摂取するとがんのリスクを増加させることが、12年に中国のがん予防と治療についての学術誌に発表された研究によって明らかにされている」とした。

四つ目の理由は「喫煙と飲酒」であると指摘。「中国誌『臨床と実験医学』に掲載されたある研究では、喫煙者は非喫煙者よりも扁平上皮食道がんを発症する可能性が5倍も高く、この可能性は女性より男性について高い傾向があるとされている」などといった研究結果を紹介した。

そして五つ目に「食べ方の問題」を挙げた。「北京大学医学出版社が出版した『食道がん』という本の中で、硬い、または十分にそしゃくされていない食べ物は、食道を通る際に粘膜を傷つけると指摘されている。このような食事習慣を続けていると、損傷と回復のプロセスを繰り返す過程で食道がんの前癌病変を引き起こす可能性がある」とした。

記事は最後に、「上海市抗がん協会によると、40歳以上の人の中でも『吐き気、腹痛、拒食など消化器の異常がある』『家族に食道がん患者がいる』『頻繁な喫煙や飲酒といった習慣がある』などの項目に当てはまる人は、特に食道がん発症の危険性が高い」とし、「これに当てはまる人は、2年に1度は内視鏡検査を受けるように」などと対策を促した。(翻訳・編集/岩谷)

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