<レコチャ広場><映画評>日本の国家が策略した壮大な悪行!「嗚呼 満蒙開拓団」は星3つ―中国

Record China    2009年6月26日(金) 8時6分

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09年6月、個人ブログ「渓流斎日乗」は、08年キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位「嗚呼 満蒙開拓団」を取り上げた。同ブログにとって「今年のナンバーワン映画」と評価している。写真は長春市にある満州国時代の建物。

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2009年6月、個人ブログ「渓流斎日乗」は、08年キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位「嗚呼 満蒙開拓団」を取り上げた。同ブログにとって「今年のナンバーワン映画」と評価している。

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以下は同ブログから。

羽田澄子演出作品「嗚呼 満蒙開拓団」(08年キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位)を神保町の岩波ホールにまで見に行きました。

深い、深い感動の渦に引き込まれ、涙が止まらず、首筋まで伝わってきました。

恐らく私がみた今年のナンバーワン映画になると思います。もちろん、星3つです。

娯楽映画ではないので、決して楽しめる映画ではありません。テーマも内容も重過ぎます。歴史的事実であり、これが現実であるので、悔しいやら、悲しいやら、憤りを感じるやら、無力感を感じるやら、やるせなさばかりが募ります。

これは、日本の国家が策略した壮大な悪行の一つでしょう。何しろ、もう敗戦濃厚で先が見えていながら、終戦間際の昭和20年5月になっても日本政府の手先になった全国の市町村役場は、庶民たちを冬場は零下40度にもなる満蒙の凍土に開拓団として送り込むんですからね。それも「王道楽土」とか、「広い土地持ちになれる」とか、「いざという時は世界一強い関東軍が守ってくれる」とか甘言を使って…。

結局、昭和20年8月9日にソ連が日ソ不可侵条約を一方的に破棄して満州に侵攻してきます。

真っ先に逃げるのが関東軍の連中なんですよね。映画に出演している多くの人が証言しています。続いて、満州政府関係の家族。開拓団の働き手の男はほとんどすべて終戦間際に徴兵され、多くがシベリアに抑留されたり、死亡したりします。

開拓団の女性や子供たちは、帰還列車にも乗せてもらえず、取り残されます。

まさに、「棄民」です。

誰かが、関東軍の兵站があった方正(ほうまさ)に行けば、彼らが守ってくれる。食料もあるはずだ、という噂が広がります。途中で、行き倒れたり、殺されたりしながらも、何千人かの棄民が方正にたどり着きます。中には、1か月以上も歩いてきた人たちもいました。しかし、方正には、既に関東軍の食料庫はもぬけの殻で食べる物もありません。零下30度の寒さで凍死する者、発疹チフスで亡くなるものが続出します。

死体は、烏が最初に眼球を抉り出してを食べ、狼や野犬が食い荒らします。

戦後になって、日本人の犠牲者のお骨を葬ってお墓を建てることを、現地で中国人と再婚した松田ちゑさんという人の働きかけで、実現します。

甚大な被害に遭った中国なのに、「加害者」の日本人の墓を建てることを許可したのが、周恩来首相でした。周恩来は「侵略戦争を起こした日本の軍国主義者と、日本人民とは厳格に区別するべきだ」という思想の持ち主だったからです。

日本人はもっともっと、周恩来に感謝しなければなりませんね。いや、周恩来のような偉い偉い人だけでなく、この映画に出てきた魯万富さんのような普通の庶民も立派な人です。魯さんは、逃げ惑う親が泣く泣く捨ててきた子供を「このまま放っておいたら、凍死してしまう。かわいそうだから」ということで、憎い敵の日本人の子供を拾ってきて育ててくれた人です。中には、拾った日本人を奴隷のように扱った人もいたようですが、魯さんのように心底から恩讐を越えて人道的に振舞った人も多かったんですね。

私自身も、方正にある日本人公墓のことはこの映画で初めて知りました。

日本政府は「いざ行け!満州へ」というプロパガンダ映画を作って盛んに満蒙に送り込みます。昭和初期の世界恐慌の影響で、生糸の卸値が暴落し、土地を持たない生糸業で生計を立てていた多くの貧農の人たち(長野県が一番多かったようです)が已むにやまれず満蒙に行かざるを得なかったことをこの映画で知りました。

関東軍は、これら貧農たちをソ連国境の危険地域の土地をあてがいます。これではまるで人柱じゃありませんか。そして、貧農を棄民にして、真っ先に逃げたのは関東軍の連中だったとは…。

日本から満州に渡った開拓団は27万人。このうち、8万数千人が亡くなったか、行方不明になったという統計があります。(筆者:渓流斎日乗)

●「渓流斎日乗」は、「東京生まれの一介の市民。非凡なる凡人。通訳案内士。日本アカデミー賞協会員」である「徘徊遊民」高田朋之介氏の公式ブログ。日々の話題を縦横無尽に逍遥しているという。gooブログに掲載。

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