不良品だけどやっぱり国産を使おう!?韓国防衛産業の“愛国心”が波紋呼ぶ=「動かない戦車は、固定式の大砲と同じ」―韓国ネット

Record China    2017年10月30日(月) 7時0分

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27日、韓国型戦車「K2戦車」に搭載した国産変速機が欠陥を抱えているにもかかわらず、国産という理由で優先的に使うべきとするメーカーの主張を政界の一部が擁護し議論が起きている。韓国・文化日報が伝えた。資料写真。

2017年10月27日、韓国型戦車「K2戦車(黒豹)」に搭載した国産変速機が欠陥を抱えているにもかかわらず、国産という理由で優先的に使うべきとするメーカーの主張を政界の一部が擁護し議論が起きている。韓国・文化日報が伝えた。

防衛産業界によると、07年から始まったK2戦車の装備開発はほぼ完了したが、昨年12月に納品されるはずだった国産変速機が各種欠陥によって性能認証を通過しておらず、戦車50台が納品できずに工場に眠っている。

同事業の遅延によって、中小企業の部品在庫が1000億ウォン(約100億円)を超えており、軍事産業大手・現代ロテムが支払うことになる遅滞補償金も1000億ウォンに達するなど関連業界が倒産の危機に追い込まれているという。

防衛事業庁はこれ以上の事業遅延を防ぐためにK2戦車に外国製変速機を搭載するよう事業方式を変更し、12月までに技術実証を進める計画を立てた。この技術実証が妥当とする結論が出れば、来年1月に防衛事業推進委員会に関連計画を上程し議決の後、3〜7月に3200キロの走行試験を経て、19〜20年に量産を終える方針だ。

これに対し、国産変速機開発メーカーのS&T重工業が、これら計画について「国産製品逆差別論」と主張している。しかし、通過していない国産変速機の性能基準は、当初、S&T重工業が防衛事業庁に提案した内容だ。S&T重工業は開発初期から性能・機能を満たす事を保証し、防衛事業庁は14年、国産変速機であることを考慮してK2戦車の作戦要求性能(ROC)を緩和した。

今回の国会国防委員会国政監査でもS&T重工業が主張した国産製品逆差別論が争点になった。京畿道(キョンギド)政府果川(クァチョン)庁舎で開かれた防衛事業庁国政監査で、自由韓国党の金学容(キム・ハクヨン)議員は「K2戦車に国産パワーパック(エンジンと変速機が一体となった部品)を装着すると公言しており、すでに多くの予算を投入して努力しただけに、そちら(S&T重工業)に優先順位を与えることが国家防衛産業のために合う」と主張した。

これに対して禹相虎(ウ・サンホ)議員は「有事の際、戦車が止まってしまったらどうするのか、戦争をどのようにするのか」とし、「国産(パワーパック)を利用しようというのは良い趣旨だが、そのためには国産メーカーが技術力を高める努力をしなければならない」と批判した。

防衛産業界の関係者は「国産製品という理由で基本性能基準に合格していない変速機を優先装着した後で、発生する各種の欠陥を補っていこうというのは将兵の命を担保に実験をするのと同じ」と批判した。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「動かない戦車は、固定式の大砲と同じじゃないか」「国産にこだわるより、武器には最高の性能のものを使うべき」「戦争が絶対に起きないような平和な状態じゃないのに、こんなのんきな事じゃだめだ」など、国産化にこだわる事への批判の声が寄せられた。

また、「金学容は防衛不正の親玉だな」と、防衛産業不正を疑う意見もみられた。(翻訳・編集/三田)

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