中国の旅行会社3社、ゾウ乗りの取り扱いを相次いで停止

人民網日本語版    2017年8月15日(火) 11時20分

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野生ゾウの保護と「ゾウ友好型観光」の実践に向け、中国の旅行会社が第一歩を踏み出した。

野生ゾウの保護と「ゾウ友好型観光」の実践に向け、中国の旅行会社が第一歩を踏み出した。

「凱撒旅游」(caissa)は9日、「ゾウ友好型観光」(Elephant-friendly Tourism)の誓約書に調印し、一部の国・地域におけるゾウの騎乗やパフォーマンスなどの観光娯楽商品の販売を今後相次いで停止することを宣言した。オンライン旅行プラットフォームの「発現旅行」と「賛那度」もこの誓約書に調印している。

ワールド・アニマル・プロテクションの野生動物部門の責任者を務める鄭■(■は金へんに玉)氏によると、上述の旅行会社3社は、「ゾウ友好型観光」の誓約書に調印した中国で最初の企業となった。

凱撒旅游の総裁補佐の葛牧氏は調印式で、凱撒旅游が2017年11月からインドやスリランカ、ネパールなどの国を含む南アジア地域でのゾウへの騎乗とパフォーマンスの販売とプロモーションを停止し、機が熟した後には、すべてのゾウの騎乗とパフォーマンスの販売を全面的に停止すると承諾した。

葛牧氏の紹介によると、現在は平均で年間延べ約10万人が凱撒旅游でゾウ騎乗の利用を選択しており、「ゾウの騎乗とパフォーマンス」は東南アジア業務の40%前後に達している。

「観光客は、一時的な娯楽と好奇心から、ゾウの一生の苦痛を招いている」。ワールド・アニマル・プロテクションの中国首席代表の趙中華氏の紹介によると、ゾウは、情熱にあふれた野生動物であり、ゾウを観光客の騎乗に利用し、機械的な動作をさせるには、鉄の鎖や鈎(かぎ)、棍棒などの道具で長期にわたる残忍な訓練を行う必要がある。生理的・精神的な幾重もの苦しみによって、ゾウの中には、重い心の病を患っているゾウもいる。

また趙中華氏によると、大量の観光客がゾウの騎乗やパフォーマンスの体験を求め、観光スポットに豊かな利益をもたらすようになったことで、小象の価格が暴騰し、小象の捕獲量の増大を招いている。

ワールド・アニマル・プロテクションが2017年7月、東南アジアの観光業で使用されるゾウの福利現状調査について発表した報告書によると、タイで娯楽・観光に用いられるゾウの数は2010年から2016年までに1688頭から2198頭に増加し、増加幅は30%にのぼっている。

「ゾウの騎乗とパフォーマンスがもたらす危害を社会はまだわかっていない」と趙中華氏は語る。

ワールド・アニマル・プロテクションが支援した2014年のグローバルアンケートによると、野生動物のパフォーマンスを鑑賞する理由について観光客の93%は、動物が好きだから、面白いからと答えており、大部分の観光客は、動物を用いた娯楽パフォーマンスが動物に傷害と虐待をもたらしていることを知らなかった。

2015年8月、ワールド・アニマル・プロテクションは、観光業の影響を受けている野生動物を保護するため、「野生動物はエンターテイナーではない」(Wildlife. Not entertainers)というキャンペーンを世界的に展開した。現在までに世界で160社以上の旅行会社が、ゾウの騎乗などの野生動物を虐待する娯楽パフォーマンスの取り扱いをやめることを承諾している。

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