冬の風物詩?大気汚染物質の原因めぐり中韓論争続く、「PM2.5は中国から」「発生源は現地」

Record China    2019年1月5日(土) 15時10分

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ソウルなどの空を覆うスモッグの原因をめぐり、中国と韓国の間で論争が続いている。「大気汚染物質は中国から来た」「主な発生源は現地」などと応酬。すっかり中韓両国間の冬の風物詩の様相を見せている。写真はソウル。

ソウルなどの空を覆うスモッグの原因をめぐり、中国と韓国の間で論争が続いている。2019年1月4日現在、韓国側が「PM2.5などの大気汚染物質は中国から来た」と主張しているのに対し、中国側は「汚染物質の主な発生源は現地」などと反論。「大気汚染の責任論争」はすっかり中韓両国間の冬の風物詩の様相を見せている。

今回、論争に火を付けたのは中国側だった。朝鮮日報によると、中国政府・生態環境部の劉友賓報道官は昨年12月28日の記者会見で「韓国で検出されたPM2.5などの大気汚染物質は中国から来た」とする韓国国内の主張について、「ソウルのPM 2.5は主に現地で排出されたもの」と反論した。

報道官は「韓国における汚染物質と中国のスモッグとの関係については幾つかの共有したい情報がある。これを通じて現状に対する客観的な理解の一助にしたい」と言及。「公表された観測データによると、中国ではここ数年の間に大気汚染が大きく改善しているが、ソウルのPM2.5濃度はほぼ変化ないか、逆にやや悪化している」「大気汚染物質の成分を分析したところ、PM2.5を悪化させる二酸化窒素の濃度は中国の北京や煙台、大連などよりもソウルの方が毎年高い」などと強調した。

劉報道官はさらに「中国の専門家の分析によると、昨年11月6、7日にソウルでは深刻な大気汚染が発生したが、11月初めのこの時期に中国から韓国への大規模な大気の移動はなかった」と説明。これらを根拠に報道官は「韓国の研究者も同じような結論に至ったとのニュースもある」とも指摘した。

これに対して韓国メディアは一斉に反論。KBSテレビは、「スモッグは中国から来ているとの韓国の抗議に対し、中国はこれまで『科学的研究を通して真相を探る』との中立的な立場だったが、今回、公に否定してきたことは、その背景に何があるのかに注目できる」と報じた。北京の韓国人情報筋によると、「中国はここ数年の大気改善で自信を深めており、今後も汚染物質は中国からという説を否定する可能性がある」という。

世界日報も北京の韓国人情報筋の言葉を引用しつつ、「煙台や大連などの韓国に近い都市以外にも、中国のスモッグが韓国へ流れ着くルートは多くある」との見方を示した。

北京の韓国大使館関係者も「生態環境部報道官の主張は、中国に有利なデータばかりを都合良く切り貼りしたものだ」と主張した上、「米航空宇宙局(NASA)による、中国の大気汚染物質が韓国に影響を及ぼしていることを裏付けるより普遍的な研究結果もある」と反発。同関係者は「最近、中国では大気汚染が大きく改善され、自信を持ったので、この問題を公に取り上げ始めたようだ」とみている。(編集/日向)

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