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中国の独禁法運用、「国際標準に合っているか諸外国から懸念」=日本の新聞社“押し紙”問題、「実態がはっきりすれば必要な措置とる」―公取委員長

配信日時:2016年2月19日(金) 6時10分
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15日、杉本和行・公正取引委員会委員長が日本記者クラブで会見。中国の独占禁止法運用に対し、「諸外国の企業が国際標準に合っているか懸念している」と疑問を投げかけた。 日本の新聞社の「押し紙」問題に対し、「実態がはっきりすれば必要な措置をとる」と明言した。

2016年2月15日、杉本和行・公正取引委員会委員長(元財務省次官)が日本記者クラブで会見した。 新聞社が販売店に買い取りを求め、配達されないまま古紙業者に回収されていく「押し紙」について、「公取委は禁止しており、きちんとモニターしているところだ。実態がはっきりすれば必要な措置をとる」と明言した。また中国の独禁法運用に対し、「諸外国の企業が国際標準に合致しているか懸念している」と疑問を投げかけた。

同委員長は、「競争法を制定する国は15年前にはわずか15カ国だったが、経済のグローバル化によって今では140カ国以上に達している」と指摘。中国も独占禁止法を制定、「社会主義における独禁法は何なのかと言われたが、市場経済を導入し、2008年夏から運用を開始した」と説明した。「8年たって積極的に競争法の運用を始め、日本の自動車部品など様々な分野で、中国が関心を寄せている」と言明、「諸外国の企業が中国の独禁法運用について、国際標準に合っているか懸念している」と疑問を投げかけた。

一方、日本の新聞社が販売店に買い取りを求め、配達されないまま古紙業者に回収されていく「押し紙」について、「現行制度でも私ども(公取委)は押し紙を禁止しており、きちんとモニターしているところだ。実態がはっきりすれば必要な措置をとる」と明言した。

「押し紙」は、新聞社が販売店に送り付け(押し付け)、卸代金を徴収する新聞のこと。販売店に届けられた大量の新聞が、ビニールで包まれたまま回収されている事例もあるという。「水増しされた部数」により、実態より高い広告収入が得られるとされる。公正取引委員会は「新聞業における特定の不公正な取引方法」のなかで、「押し紙」を明確に禁止している。

 

このほか、杉本委員長は「世界経済はシンクロ(同期)している」とした上で、「公取委はイノベーションできる環境を整備して、競争を確保するための政策を推進していく」と強調した。世界中でM&Aが増加傾向にある中で、一定のルール内で「企業の競争力が強くなるなら歓迎するが、競争を回避するなら問題になる」と指摘。このままでは「日本市場はあらゆるところでガラパゴス化して、国際競争に勝てずにじり貧になる」と懸念した。(八牧浩行)

■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役、編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。現在、日中経済文化促進会会長。Record China相談役・主筆。著著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。 ジャーナリストとして、取材・執筆・講演等も行っている。

※掲載している内容はコラムニスト個人の見解であり、弊社の立場や意見を代表するものではありません。

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2014年8月15日 8時10分
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