日本のホテルでもらった使い捨てのカミソリが1年以上使えることに、同僚は驚嘆していた―中国人女性

日本僑報社    2016年1月31日(日) 22時30分

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日本が世界に誇るメイドインジャパンの特徴は、何と言っても高い品質だろう。長沙明照日本語専修学院の黄海萍さんは、そんなメイドインジャパンに関する思い出を作文につづっている。写真はカミソリ。

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日本が世界に誇るメイドインジャパンの特徴は、何と言っても高い品質だろう。中国では改革開放期に日本製品が流通し始めてから現在まで、一貫してその品質の高さに称賛と信頼が寄せられてきた。長沙明照日本語専修学院の黄海萍さんは、自身のメイドインジャパンに関する思い出を作文につづっている。

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私の机の上にメイドインジャパンの小さな置き時計がある。2年前、大学を出て教員になったものの、社会に出たばかりの私は生き方に迷っていた。当然、授業はしばしば失敗した。

そんな時、日本人の老教授からいただいたのが件の置き時計である。精工舎(セイコー)製で、小さいけれど美しく、高級感のある時計だ。「この時計はもう35歳になったんだよ」と先生が自慢気に語られたのが印象に残っている。古いが、今も正確に時を刻んで休むことを知らない。

一般に、日本製品は頑丈で壊れない。身の回りでも、「日本製のテレビを買ったら20年間異常なく動く」とか、「カメラは25年たっても壊れない」とかいう話をよく耳にする。職場の人は、日本のホテルでもらってきた使い捨てのカミソリが、実に1年以上、毎日使い続けてもなお健在だと驚嘆していた。1回限りの使用に耐えられれば良いはずの物が、365回以上使い続けても劣化しないのである。私の時計も、裏面に貼られた製造番号ラベルですら剥れない。

思えば昔、国産品の質は悪かったし、外国製品もなかった。幼いころ、電気スタンドを買いに行くと、店員の女性は奥から4台も出してきた。買うのは1台だが、その場で動作を確認した上で引き渡すためである。案の定、灯りが点いたのは1台だけだった。大学2年生の時、学内の日本語スピーチコンテストに参加し、日本人の教官に原稿の手直しを請うた時、「鉛筆を」と言われ差し出したら、「どうしてすぐに鉛筆の芯が折れるんだ」と怒られた。実際、国産の鉛筆はすぐに折れるので、返す言葉がなかった。その後、スピーチ大会に優勝し、先生から鉛筆を贈られた。日本製品で折れない。これを大事に使ったものだ。

いただいた奨学金で買った日本製の電子辞書は本当に宝物だ。その品質、美しい外観は眩いばかり。日本語学習の最重要ツールで、片時も手放せない。私は少数民族で、越境してベトナムで働いたこともある。そこで使っていた花王の日焼け止めクリームは効果抜群だった。日本製の洗濯石けん、合成洗剤なども使ったこともある。その洗浄力、乾かした後に残る香りは本当に気持ちが良い。洗濯が楽しくなったものだ。

このようにメイドインジャパンは私たちに消費生活の喜びを教えてくれたが、もう一つ大きな影響を及ぼしている。外国製品の輸入や外資系企業の参入で競争や技術移転が起こり、国産品も質を上げたことである。耐久性こそ日本製に及ばないが、それでも大いに改善されてきたと思う。文房具からリニアモーターカーまで、数え切れないほどの日本製品に囲まれ、今や中国人の生活と切っても切れない関係にあることは明らかだ。

愛蔵の品々は皆、私の宝物だ。高価な電子辞書や美しい置き時計だけでなく、鉛筆の1本までも。そこにあらわれた高い品質や美しいデザイン、行き届いた心配りは、単なる技術力を超えて物作りの精神、日本文化そのものを象徴しているように見える。良い物を生み出すこうした精神こそが、本当の宝物なのかも知れない。(編集/北田

※本文は、第六回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「メイドインジャパンと中国人の生活」(段躍中編、日本僑報社、2010年)より、黄海萍さん(長沙明照日本語専修学院)の作品「私の宝物」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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