アニメに夢中の私を良く思っていなかった母、「日本語の塾へ行きたいんだ」という頼みに…―中国人学生

配信日時:2015年9月23日(水) 19時43分
アニメに夢中の私を良く思っていなかった母、「日本語の塾へ行きたいんだ」という頼みに…―中国人学生
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漫画やアニメは日本が世界に誇るサブカルチャーであるが、その影響力は日本人が思うよりもずっと大きいのかもしれない。南京信息工程大学の姚月秋さんは、自身のアニメとのかかわりについてつづっている。写真は2010年の国際アニメ際。
漫画やアニメは日本が世界に誇るサブカルチャーであるが、その影響力は日本人が思うよりもずっと大きいのかもしれない。南京信息工程大学の姚月秋さんは、自身のアニメとのかかわりについて次のようにつづっている。

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私がその「友人」と出会ったのは、中学2年の夏休み。ある日、叔父がすることもなく退屈そうにしていた私を見て、「ヒカルの碁」というアニメのDVDを譲ってくれた。文字通り囲碁を題材にしたアニメで、主人公のヒカルが囲碁でライバルたちに立ち向かい、プロの棋士を目指して一歩一歩成長する物語だ。私はそのストーリーの新鮮さに引き付けられ、また背景に映る日本文化に好奇心を刺激された。

夏休みが終わり、新学期が始まった。中学3年にもなると毎日が授業ばかりで、宿題も山積み。夜に夢も見られないくらいに勉強とぶつかる日々だった。私の隣の席には、学年で成績がトップの男の子が座っていた。いわゆるガリ勉ではなく、いつも余裕の笑顔を見せているのが気になっていた。ある日、彼に「勉強はしんどくない?なぜ毎日気楽にいられるの?」と聞くと、彼は「僕は『ナルト』というアニメが好きだ。勉強ばかりの生活は大変だけどさ。アニメの中の忍者の訓練と一緒じゃん?そう考えたら、勉強が面白くなってきたのさ。僕はナルトと一緒に強くなって、夢を叶えたいからね」と言った。

その瞬間、夢を追う2人の主人公、ナルトとヒカルが重なり合い、私の中で何かのスイッチが入った。胸がドキドキした。勉強の苦しさは無駄じゃない、必要なことなのだ。将来の夢のためなら人は無限の力が湧いてくるのだと。それを気づかせてくれたクラスメートとアニメに感謝し、将来、アニメに関する仕事につきたいと思うようになった。

しかし、少し気になることがあった。それは、母が「アニメを見る暇があるなら、本でも読んだら?」とよく私に言っていたことだ。やはり母は私がアニメを見るのを良く思っていないのだろう。高校2年の時、私は恐る恐る相談事を切り出した。「日本語の塾へ行きたいんだ…」。すると、母は意外にもあっさりとうなずいた。私は驚いて、その理由を尋ねんばかりに母の袖を捕まえた。そんな私を見て、母は大笑いしながら答えてくれた。「日本語を習いたいのはアニメが好きだからでしょう。こんな子、初めてよ。自分から言い出したんだから、頑張らなくちゃだめよ。アニメって、こんなに力があるのかね」。

母の言う通りだった。日本語に興味を持ったのはアニメを知ってからだし、アニメからは多くの日本語を学んだ。登場するキャラクターからは、話し方の特徴や癖を学んだ。年齢や性別や、職業が変われば話し方もそれぞれ違うのが面白い。そう思っていたから、母の言葉がうれしかった。

今、大学で日本語を専攻している。日本語の難しさをますます実感しているが、アニメから学んできた日本語が大きな助けになっている。やはりアニメは「友人」のように心強い味方になって、私の背中をずっと押し続けてくれているのだ。私の夢はアニメをはじめとする日中文化の交流に貢献することだ。日本語を勉強する毎日、少しずつ夢に近づいているし、一歩一歩新しい自分になっていくような気がしている。アニメの主人公のように、自分がどこまで歩けるか、挑戦し続けてみたいのだ。(編集/北田

※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、姚月秋さん(南京信息工程大学)の作品「『友人』がくれた感動」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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