手術室で患者を囲み記念撮影、ネットで非難轟々=その真相は?―中国

Record China    2014年12月26日(金) 10時12分

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24日、陝西省西安市の鳳城病院で、患者がまだ寝ている手術室で医師らがピースサインなどをしながら撮影した記念写真がネット上に出回り、ネットユーザーから批判が集中した。

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2014年12月24日、陝西省西安市の鳳城病院で、患者がまだ寝ている手術室で医師らがピースサインなどをしながら撮影した記念写真がネット上に出回り、ネットユーザーから批判が集中。元々信頼関係にヒビが入っている中国の医師と患者の間の溝が、再び広がる結果となってしまった。新華網が伝えた。

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しかし、この画像に「旧病棟のオペ室で行われた最後の手術」という注釈があったとしたらどうだろう?これほど大きなニュースになり、医師と患者の関係がさらに悪化することはなかったのではないだろうか。

▼真相は「古いオペ室で最後の手術」

一般人がこのような画像だけを見ると、やはり「正気か?」とその神経を疑ってしまう。元々中国では、医師と患者の信頼関係が低いため、このような画像は自然とネットユーザーらから集中砲火を受けてしまう。しかし、冷静に考えると、数枚の画像だけで全ての状況を判断するのは難しい。

まず、この画像を見て受ける印象と、事の真相が必ずしも同じでないことを認めなければならない。真相を数枚の画像だけで判断することはできない。もし、この画像に真相を示す注釈があれば、ネットユーザーも画像が撮影された背景を正しく理解できる。そして、ネットユーザーも誤解せずにすみ、メディアもその真相をあれこれと予測する必要もない。

渦中の同病院の鄭暁菊(ジョン・シャオジュー)外科主任は、「同画像は、古い病棟のオペ室で、最後の手術が行われた時のもの」と弁明している。もっと早くにその真相をはっきりさせておけば、これほど大きなニュースになることはなかっただろう。

▼もう1つの真相、「7時間の手術で足切断回避」

鄭主任は取材に対して、「もう1枚の画像は、足の手術だった。7時間かけて足の切断を免れた」と説明した。

鄭主任によると、これは難しい手術で、午前10時から午後5時までの7時間、参加した医師らは飲まず食わずで働いたという。「最終的に、患者の左足を切断せずにすんだ。みんなとてもうれしくなり、手術の成功を祝って記念写真を撮った。10年使ったオペ室での最後の手術でもあったし」と鄭主任。

この画像に、これらの説明が加えられていたなら、ネットユーザーらも、命を救うために懸命に努力し、その成功に盛り上がる医師らの気持ちに理解と同情を示し、誤解を生んで、医師と患者の信頼関係に大きなヒビが入ることもなかったのではないだろうか。

▼「オペ室から一旦出て戻ってきたためマスクをしていない」

もちろん、オペ室で写真を撮るというのは規則に反している。まず、写真を撮るために、マスクや手袋を外すというのは、無菌オペ室の規則に反している。また、患者がまだ横たわっており、足がむき出しになっている状態の写真を撮影するというのは、患者やその家族の気持ちが十分に考慮されていない。

その点、執刀医だった鄭主任は、「オペ室から一旦出て、写真を撮るために戻った。急いで戻ったため、マスクをしていない。また、当時は真夏だったにもかかわらず、移設のため、オペ室にクーラーがなかった。みんな汗だくで、記念写真を撮ること以外のことを考えられなかった」と弁明している。

この画像が流出してからの3日間、鄭主任は夜も眠れず、ネットユーザーのコメントを見て涙を流しているという。「こんなに大きなニュースになるとは思ってもみなかった。軽率な行為で反省している。ただ、人々には医師という職業をもっと理解してほしい」と鄭主任。

では、マスクや手袋をしていないこれらの理由をネットユーザーらが知ったなら、誤解を解くことができるのだろうか?

医師が患者との信頼関係を築くためには、細かな点を改善していかなければならない。細かい点をきちんとこなし、業務を改善するなら、患者の信頼を勝ち得ることができるだろう。

医師と患者の関係は、友人との関係のようであるべきで、共に病気という敵と闘い、「命が何よりも大切」という点を忘れてはいけない。命を前に、共通の認識を持ち、お互いに理解を示し合い、誤解とトラブルを少しずつ改善しなければ、広がった溝を埋めることはできない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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