拡大
21日、中国のポータルサイト・捜狐に「『鬼滅の刃』が日本アニメの頂点を逆転、鬱(うつ)的な核心が痛いところを突く」と題した記事が掲載された。写真は鬼滅の刃。
2025年11月21日、中国のポータルサイト・捜狐に「『鬼滅の刃』が日本アニメの頂点を逆転、鬱(うつ)的な核心が痛いところを突く」と題した記事が掲載された。
記事は、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章の中国公開初週の興行収入が4億元(約88億円)に迫り、中国の映画・ドラマのデータ分析アプリ・灯塔専門版の予測では、今後6億元(約132億円)に達する見込みもあるという。さらに映画『THE FIRST SLAM DUNK』の興行収入6億6300万元を覆し、中国における日本の劇場版アニメの頂点を打ち破り、10億元(約220億円)の大台へと猛進する可能性すらあるようだ。これは『NARUTO-ナルト-』や『ONE PIECE』ですら到達できなかった高みに他ならない」と述べた。
そして、「驚くべきは、同作が明らかにファン向け作品であるにもかかわらず、映画館に大勢の一般客を引き込んだ点である。一般客は『上映時間が長すぎる』『回想シーンが多くてリズムが乱れる』と不満を漏らし、さらには竈門炭治郎(かまどたんじろう)の父が草履を編む場面を集団トイレタイム扱いする者までいたが、結局はみんなおとなしくチケットを購入している」と言及した。
また、「今時、ファンが熱狂し、一般客にも嫌悪感を抱かせない映画作品など極めて希少だと言ってよい。この成功は運の良さではなく、若者の感情の機微を徹底的に読み解いた結果である。なぜ人々はこの陰鬱(いんうつ)な雰囲気のアニメにここまで金を払うのか。それは現在の日本アニメ界を見れば明らかである。純粋な熱血アニメはもはや人気を失って久しいのだ」と論じた。
記事は、「『鬼滅の刃』では登場人物があっけなく命を落とす。無限城の戦いにて一夜で退場した名のあるキャラクターの数は、『NARUTO -ナルト-』の忍界大戦や『ONE PIECE』の頂上戦争の退場者数よりも多いだろう。胡蝶(こちょう)しのぶは復讐の執念を抱いて戦場に臨むが、戦わずに退場する。このような予期せぬ無常感は、従来の熱血漫画における、主人公の成長のために用意された死とは比べ物にならない」とした。
また、「『鬼滅の刃』に限らず、この10年間で爆発的にヒットした日本アニメはすべて同系統である。例えば、『進撃の巨人』『呪術廻戦』『チェンソーマン』はいずれも主人公を容赦なく苦しめる。かつての主人公であるうずまきナルトやモンキー・D・ルフィは『火影になる』『海賊王になる』と叫びながら世界に挑んでいたが、今の主人公たちはみんな、普通の人間にすぎない」と比較した。
そして、「エレン・イェーガーはただ壁の外の世界を見たかっただけであり、デンジはただお腹いっぱい食べたかっただけであり、虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は善意から呪いの指を飲み込んだだけにすぎない。彼らはみんな受動的に危機へと巻き込まれ、壊れた世界でただ懸命に生きることだけを望んでいる。現在の若者たちは『努力すれば必ず報われる』というような精神論はとっくに受けつけなくなっているのだ」と説明した。
記事は、「『進撃の巨人』の原作者・諫山創氏は1986年生まれ、『鬼滅の刃』の原作者・吾峠呼世晴氏は89年生まれ、『呪術廻戦』の原作者・芥見下々氏は92年生まれで、いずれも日本経済の衰退、社会的階層の固定化、大震災の影の中で育ってきた世代だ」と言及。「彼らはただ投げやりに『鬱』を描いたわけではなく、若者の痛点を真正面から突いたのだ。今の時代、現実に打ちのめされながら、それでも何とか日々をやり過ごしている者ばかりだろう」とした。
その上で、「鬱系アニメは、登場人物が崩壊し、逃避し、疑うことを許容し、苦難が無差別に降りかかることを認める。そのリアリティーは、無理に前向きな励ましを押しつけるよりもはるかに優れている。もちろん、感情的な共鳴だけでは不十分だが、『鬼滅の刃』の作品運営はまさに教科書級であると言える。中国の映画館も日本式の入場特典商法を採用し、ファンに二度、三度と映画館に足を運ばせている。かつて『アニメの砂漠』とやゆされた中国の北京でさえ、今回は至るところに聖地巡礼スポットが設けられた」と紹介した。
一方で、「『鬼滅の刃』を神格化した真の要因は、人の心を突き刺すその核心部分である。今作の隠れた主人公は敵役の猗窩座(あかざ)だった。貧しい少年が父の病を治すため盗みを働き、救済されて新たな人生をつかもうとした矢先、再び現実に打ち砕かれ、最終的に鬼になることを余儀なくされる。この苦しみを語れず、自分の意思ではどうにもならない物語は、多くの人間の現実そのものではないだろうか」と問いかけた。
そして、「すべての努力が報われるわけではなく、苦難に必ず理由があるわけでもない。世界とは本来、無常で残酷なものなのだ。『鬼滅の刃』は明日はもっと良くなるとは偽らない。ただ、生きることは難しいが、『今日はまず乗り切ろう』とだけ教えてくれる。この現実から目を背けず、無理に楽観的になろうとしない優しさこそが、最も若者の心を打つ点なのである」と評した。
記事は、「結局のところ、今作が10億元を狙えるのは偶然ではない。若者を『搾取の対象』として扱わず、彼らを真に理解していることに勝因がある。作品運営とは単にグッズを押し売りすることではなく、ソーシャル・シンボルを構築することであり、物語は、でたらめな熱血を描くことではなく、感情的な共鳴を伝えるものであるべきなのだ」と強調した。
そして、「現代の若者が求めているのは、虚構の夢ではなく『自分が見られていること、理解されていること』であり、『鬼滅の刃』はまさにそれを実現した。世界の腐敗を認めながらも、人間としての最低限のラインを守り抜く。この『喪失感と粘り強さ』を併せ持つ力こそが、階層を越えて広がり、逆転的に神格化された究極の鍵なのである」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)
Record China
2025/11/27
Record China
2025/11/26
Record China
2025/11/22
Record China
2025/11/21
Record China
2025/11/19
Record China
2025/11/18