小さな街を歩くように―ニュウマン高輪で感じた時間の流れ

柴思原    
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先日、JR東日本が開発し、今年3月末にまちびらきを迎えた高輪ゲートウェイシティの中核施設であるニュウマン高輪を訪れた。写真はニュウマン高輪。

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先日、JR東日本が開発し、今年3月末にまちびらきを迎えた高輪ゲートウェイシティの中核施設であるニュウマン高輪を訪れた。初めてこの商業エリアを歩いた時、ふと「小さな街を散歩しているようだ」と感じた。建物の設計自体が、きっと「デパート」という言葉の外にあるものを目指しているのだろう。

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フロアはどこも広々としていて、通路や階段が緩やかに空間をつなぎ、ベンチやソファがあちこちに置かれている。人の流れをせき止めることなく、ふと腰を下ろして息をつける場所がある―。そんなゆとりが、この場所の空気をつくっている気がする。

植栽も豊かで、建物の中にいながらどこか公園の延長にいるような気分になる。鳥の声や虫の音が小さく流れ、少し作為的にも思えるけれど、耳を澄ますと意外に心地いい。誰にでもなじむBGMなんてきっと存在しないのだから、こうした自然の音に包まれるのも悪くない。

もう一つ面白いのは、店と店の間に明確な境界がないことだ。雑貨店のすぐ隣に本屋があり、本屋の奥にはカフェがある。カテゴリーという秩序を緩やかにほどいた配置は、効率を求める買い物には向かないかもしれないが、「今日はなんとなく歩きたい」気分の時にはぴったりだ。そんなふうに時間を消費ではなく“過ごす”ことを、この場所は許してくれる。建物の外にも、小さなカフェやブランチの店が点在している。

アクセスも悪くない。高輪ゲートウェイ駅からすぐで、山手線に揺られれば品川の次の駅だ。不思議なことに、品川駅の人波の喧騒(けんそう)を抜けたその先には、まるで別の時間が流れているように感じる。スタイリッシュな駅舎を出ると、目の前には大きな噴水広場があり、子どもたちが水しぶきの中で笑っている。その周りには、犬を連れた家族の姿が多い。建物と広場が一体になって、まるで近未来の小都市を歩いているような風景が広がる。


高輪ゲートウェイ駅

そして、その“未来感”をさらに際立たせているのが、ゆっくりと人々の間を進む「iino」というブラウンカラーの自動走行モビリティーだ。3人ほどが乗れるその小さな乗り物は、まるでこの街の時間の流れを確かめるように、静かに地面を滑っていく。

ニュウマン高輪の広さや入り組んだ構造は、渋谷のMIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)、新宿の東急歌舞伎町タワーや二子玉川の商業エリアよりも、むしろ一つの“小さな街”を思わせる。さらに、原宿や吉祥寺、自由が丘のような商店街と比べても、天候や気温に左右されずに歩けるのが魅力だ。

アウトレットモールやららぽーとと比べれば、ここにはより多くのカフェや雑貨店、本屋、そしてスーパーまでもがそろっている。どこか「買い物をする場所」というよりも、「今、この時間をゆっくり味わう場所」という印象を受ける。

興味深いのは、買い物を主とするアウトレットやららぽーとが往々にして東京の中心圏外にあるのに対し、「ライフスタイル」を主軸とする商業集合体はむしろ東京の中心圏にあり、伝統的な百貨店の近くで次々と出現している点だ。

聞くところによると、将来的にはここにも高級ホテルやタワーマンションが進出するそうだ。この迷路みたいな「街」で、さあ冒険に出掛けよう!

■筆者プロフィール:柴思原

柴思原(柴田海)は、早稲田大学で経済学士号および政治学修士号を取得し、現在は同大学政治学研究科博士後期課程に在籍している。研究分野は政治社会学、比較政治学、世論調査。社会科学の研究を進める一方で、文学創作の分野では科学普及、文芸評論、詩歌を手がけ、これまでにエッセイ集や詩集を多数刊行している。

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