中国で開通から数カ月の橋が崩落、「大型交通インフラ事業に不信感が広がる」と米誌

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中国南西部の四川省で11日、開通から数カ月しかたっていない全長758メートル橋が突然、崩落。米誌は「中国の大型交通インフラ事業に不信感が広がっている」と伝えた。写真は崩落の様子。

中国南西部の四川省で11日、開通から数カ月しかた経っていない全長758メートル橋が突然、崩落した。その瞬間は映像で捉えられていた。周辺の地質には不安定な兆候が見られていたという。米誌ニューズウィーク(NW)は「中国の大型交通インフラ事業に不信感が広がっている」と伝えた。

NWによると、崩れ落ちたのは、チベット自治区と中国中部を結ぶ国道に架かる紅旗橋。橋に施工上の欠陥があったという証拠は今のところ確認されていないが、今回の事故の数カ月前にも別の重大事故が発生している。

今年8月、青海省で建設中だった鉄道橋がケーブルの張力調整作業中に崩落。少なくとも12人の作業員が死亡、4人が行方不明となっていた。

中国国営メディア「グローバル・タイムズ」が公開した映像には、紅旗橋の崩落直後に川の上空に巨大な土煙が立ち上る様子が映っている。地元当局によれば、山間部の地形条件が悪化したことで地滑りが発生し、それが接続橋と路盤の崩壊を引き起こしたという。

異常の兆候が最初に現れたのは10日。四川省馬爾康市市内の国道橋梁(きょうりょう)区間の右岸で斜面の変形が確認された。地元当局は直ちに緊急対応を開始し、午後11時までに現場に取り残されていた車両をすべて退避させた。無断立ち入りを防ぐため、現場には警告標識が設置されたと地元紙「四川日報」が報じている。ロイター通信によると、今回の崩落による死傷者は報告されていない。

NWは「相次ぐ事故は中国がかつてのように大規模なインフラ投資を続けられなくなっているのではないかという懸念を呼んでいる」と報道。成長を支えるために、道路、鉄道、空港といったインフラに数兆ドル規模の資金を投入してきた中国だが、近年は品質管理の低下や、地質的に不安定な地域での建設に対する疑念が高まっている。

中国当局はこうした事故を「自然災害」、たとえば地滑りや洪水などによるもの、あるいは単発的な出来事として説明することが多い。しかし、建設安全の専門家や国際的な観測筋は地震や環境リスクの高い地域で急ピッチに進められる開発に対し、規制監督の不十分さを引き続き指摘している。

中国人ジャーナリストのリー・ズーシン氏はX(旧ツイッター)に「この橋の崩落は地滑りによる山の変形が原因だった。これは自然災害だ」と記した。施工業者の 四川路橋集団は四川日報に寄せた声明の中で、「現時点で道路の再開時期は未定」と述べている。当局は橋の崩落原因についての調査を進めていると発表した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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