<驚くべきインバウンド後進国ニッポン(14)>通訳ガイドの社会は日本には珍しい女性社会

Record China    2014年6月28日(土) 17時44分

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訪日した外国人観光客の間で通訳ガイドの要望は少なくないが、どこでガイドを雇えばよいのかわからないのが現状。国土交通省が作り日本観光通訳協会が運用している通訳ガイド検索システムは完全とは言えないが、通訳ガイドを紹介する重要なツールです。

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観光庁の公認する通訳案内士団体は、現在全国に17団体あります。大きい団体から申しますと、日本観光通訳連盟、全日本通訳案内士連盟、通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会、関西通訳ガイド協会、中国語通訳案内士会というように続きます。

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これらは全国組織、地方組織、そして語学別組織です。それでも16の団体で通訳案内士全体の30%も組織化されておりません。そして語学別を省いて言える事は、会員の80%が英語の会員なのです。構成員は女性が約60%、男性が約40%。悪い言い方をするならば女性が支配する世界です。毛沢東は天の半分は女性が占めると言いましたが、過半数以上の女性がいる場合、本当に女性社会になります。私の場合人生の前半を男性中心の家族社会、後半を女性中心の家族社会で過ごしているので、女の世界にも慣れましたが、違和感はいまだ消えません。

この世界に入って思うのですが、旅行業界に支配されているという感覚を持った方が非常に多い事です。確かに英語圏の世界は、ウォーキングガイド以外旅行業界に営業を握られているかもしれません。日本にはまだ男尊女卑の習慣が色濃く残っており、そのためかもしれませんが、積極的に前に出て外国人観光客の通訳をじかに受注しようとする人間は少ないようです。欧米中でしたら考え方は全然違ってくるでしょう。知っている限り中国人女性で日本国内にて起業する人は非常に多いです。日本人女性がそこまで行くまでには、かなり時間がかかりそうです。

通訳案内士の資格を取ったけど、泊りの仕事を配偶者が許さないという話はよく聞きます。しかし、赤ちゃんを産んで1年程度で積極的に前に出てくる方も多く、未来型で頼もしい限りです。しっかりした女性が多い割には、多くの男性は鳴かず飛ばずのように見えます。この業界を制圧してやるという征服者的なギラギラ人間はあまり見かけません。

旅行業界残酷物語をしましたが、通訳案内士の低収入問題の原因は、需要不足にあります。まだまだ、市場的に通訳ガイド需要があるのに開発できていない点にあるのです。観光庁におかれては、通訳ガイド需要の全容を調査で把握され、外需喚起のために需要を掘り起こす政策をお願いしたく思います。外需を掘り起こすのに通訳案内士を利用するのは最適と思われます。

◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)

中国語通訳案内士会・副代表幹事。現役通訳案内士(中国語)の他、産業・医療通訳等各種通訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。

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