日本のコロナ感染者大幅減、「データ改ざん」なのか?―中国メディア

Record China    2021年11月5日(金) 8時40分

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日本で新型コロナウイルスの感染者数が大幅に減少していることについて、中国メディアの澎湃新聞は4日、「データ改ざんか、それとも別の要因があるのか」と題する記事を掲載した。

日本で新型コロナウイルスの感染者数が大幅に減少していることについて、中国メディアの澎湃新聞は4日、「データ改ざんか、それとも別の要因があるのか」と題する記事を掲載した。

記事はまず、「東京五輪・パラリンピックが終了した後、日本の全国の感染者数が抑えられていると報じられた」とし、厚生労働省の発表を基に、「10月7日から1日当たりの新規感染者数は1000人を下回り、10月31日には全国で215人の感染にとどまった。東京では11月1日の新規感染者数はわずか9人だった」と紹介した。

一方で、「日本の感染者が減り続けていることについて『データ改ざん』ではないかとの疑問の声も上がっている」と説明。韓国の時事コメンテーターである金於俊(キム・オジュン)氏が「詐欺だ」と非難したこと、中国のSNS上でも「検査をしないだけ」との声が上がったことを挙げ、「日本が発表したデータは果たして正確なのか。PCR検査の数は本当に減少しているのか。感染者数減少につながるほかの可能性はあるのか」と疑問を提起した。

■データは正しいのか

記事は、「日本の新規感染者数はHER-SYSシステムのデータを基に算出されている」と紹介。「2020年5月末に運用を開始したもので、どの医療機関や個人もこのシステムにログインすることですぐに情報を報告できる」と利便性に言及する一方で、「統計で得られたデータの正確性はしばしば疑問視されている」とも指摘した。

そして、「今年2月には新規感染者数の集計について、外注先の社員らに依頼して午前0時過ぎに47都道府県のホームページにアクセスし、手作業で計算していたことを公に認めた」と説明。また、東京都が10月29日に、4~10月分の感染者数のデータについて計4512人の報告漏れと447人の重複集計があったと発表したことも伝えた。

■検査数は減少していないか

記事は、オックスフォード大学の「データで見る私たちの世界(Our World in Data)」の統計を基に、「日本の1日当たりの検査数は9月初めから減少し始め、それに伴い1日当たりの新たな感染者数も減少し始めた」と指摘。東京都を例に「9月以降、発熱相談センターの相談件数は明らかに減少しており、新型コロナウイルス感染症相談窓口の受付件数も9月1日の926件から10月31日には77件と、91.7%減少した」と紹介した。

また、東京都の検査数について、「8月30日から9月6日には10万件余りだったが、10月25日から10月31日には4万件ほどと検査件数が6割も減少している」とも指摘。「日本全体では検査件数が減少している一方で陽性率は8月と比較して6%以下から7%前後とむしろ大幅に上昇している」とし、「新規感染者数と検査件数は必ずしも厳密に比例するわけではないが、日本の感染者数減と検査数減の間には何らかの関連があることは確かなように思われる」と主張した。

ワクチンが要因ではない?

記事は、米紙ニューヨーク・タイムズが「日本の専門家でさえ感染者数が減少した理由が分かっていない」と報じる一方、ワクチン接種率の高さとマスク着用率の高さがウイルス封じ込めに重要な役割を果たした可能性があるとの見方を示したことを紹介。

その上で、「データで見る私たちの世界」の統計から「日本では11月1日現在、1回目のワクチン接種を終えた人は約78%、2回の接種を終えた人は73%で、100人当たりのワクチン接種回数は平均150回だった」と説明。一方で、「韓国では1回目の接種を終えた人が80%、2回目の接種を終えた人は75%で、100人当たりのワクチン接種回数は平均152回だった」とし、「しかし韓国では7月から増加傾向が続いている。日本では今年4月以降、ワクチン接種率が増加したが、新規感染者数はそれに同調して減少してはいなかった。日本でも7月から感染者が増え続け、1日の新規感染者数は2万3000人に達した」とした。

そして、「日本で感染者数が減少してきたのは8月下旬で、1日の新規感染者数が1000人を下回ったのは10月に入ってから。したがって、日本の感染者数の急減がワクチン接種によるものというのはおそらく正しくない」と論じた。

■その他の要因

記事はその他の要因として、日本の専門家から「人の移動の減少」が挙げられており、韓国やシンガポールの9月以降の感染拡大も祝日による人の移動の増加が原因である可能性が指摘されていると紹介した。

また、国立遺伝学研究所と新潟大学の研究チームが、「デルタ株でゲノムの変異を修復する酵素が変化し、修復が追い付かずに死滅した可能性がある」との研究結果を発表したことにも言及。ただ、同研究は一部地域の変異株についてのものであり、「日本全国のウイルス株に及ぶかについては議論の余地がある」と指摘した。

記事は最後に、「日本で発表された1日当たりの新規感染者数は、必ずしも完全に正確なものではない。過去数カ月に比べ、日本の1日当たりの検査数は明らかに減少している一方、陽性率は8月より明らかに高まっている」と改めて主張。日本の感染者大幅減について「具体的な要因を特定することは困難」としながらも、「人の移動の減少、検査件数の減少、ウイルスの変化はこの現象に対して説明可能な情報を提供した」としている。(翻訳・編集/北田

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