「朝鮮半島に軽空母と原子力潜水艦は果たして必要か」、韓国・左派系紙が正面から疑義

Record China    2020年8月23日(日) 10時10分

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韓国軍が「国防中期計画」で導入を検討中とされる軽空母と原子力潜水艦。左派系紙は「朝鮮半島に必要か」と正面から疑義を呈した。写真は潜水艦。

韓国軍が「国防中期計画」(2021~25年度)で導入を検討中とされる軽空母と原子力潜水艦をめぐり、左派系のハンギョレ新聞は「朝鮮半島に果たして必要か」と正面から疑義を呈した。同紙は「兵器体系(尻尾)が北東アジアの平和の全体(胴)を揺るがすことがありうるという懸念が出ている」とも伝えた。

軽空母について同紙は「韓国は中国や日本とは作戦条件が異なる」と指摘。「日本は太平洋に直面しており、海上作戦区域が広大だ。中国も海岸線だけで1万キロほどにもなる。しかし、韓国はこれらの国と比べてみると空母の導入は必要ないという意見は進歩・保守の区別なく同意されていた」と断じた。

続いて「朝鮮半島が空母なのに、空母の導入は非効率」とも説明。慶南大学極東問題研究所のキム・ドンヨプ教授の「朝鮮半島と近隣海域を考えれば、清州や原州などの基地はそれ自体が立派な甲板なのに、あえて海に空母を浮かべる理由はない。特に空母に載せられる(垂直離発着型の)戦闘機のF-35Bより、作戦半径が300キロほど広い(通常型の)F-35A(最大1100キロ)があるという点でも、軽空母の導入は非効率的だ」との見方を紹介した。

さらに「軽空母自体が『攻撃的な軍事力』だという点で、今後衝突の原因となることがありうるという分析も出ている」と言及。中央大学のイ・ヘジョン教授は「われわれが中国と軍拡競争をするということは想像できないことで、これは日本とも同じだ」とし、「(軽空母などによって)中国に見下されないようにし、日本から独島(日本名・竹島)を守り、北朝鮮の武力も抑止できるということだが、(兵器体系の運用過程での)それ以上の軍事的緊張に対しては深く考えていないようだ」と危惧した。

ハンギョレ新聞は文在寅大統領の選挙公約でもある原潜建造も俎上(そじょう)に載せた。「1隻あたり1兆5000億ウォン(約1300億円)前後の費用が予想される高性能の原子力潜水艦が韓国の作戦区域にふさわしいのかという疑問がまずある」と問題視。キム・ドンヨプ教授は「高性能の原潜と言っても、相手を探知できる距離は10キロ以内で、北朝鮮の潜水艦を常に探知するためには、北朝鮮の領海に入っていなければならないことを意味する」とし、「それ自体が問題になりうること」と述べた。

記事は原潜の短所にも触れ、「原子力動力装置とタービンの減速装置から出る騒音を消すことができない。原子炉を止めることができないからだ」と解説。「むしろディーゼル潜水艦の方がエンジンを停止し、隠密に移動できる。戦場の条件により、どの潜水艦が有利かの断言は難しい」とした。(編集/日向)

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