韓国、米韓通貨スワップ使い過ぎ?専門家から懸念の声

Record China    2020年5月28日(木) 17時0分

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27日、韓国・アジア経済によると、韓国銀行が米韓通貨スワップ協定締結から約2カ月で限度額の約3分の1に当たる188億ドルを市場に供給したことに専門家から懸念の声が上がっている。写真は韓国ウォン。

2020年5月27日、韓国・アジア経済によると、韓国銀行が米韓通貨スワップ協定締結から約2カ月で限度額(600億ドル=約6兆4700億円)の約3分の1にあたる188億ドル(残高基準)を市場に供給したことに専門家から懸念の声が上がっている。

記事によると、韓国銀行と同時に米連邦準備制度(FED)とスワップ協定を締結した他の国と比較すると、韓国の資金活用度は高い。国際金融センターのイ・サンウォン副専門委員は「韓国とシンガポール(100億ドル)は、通貨スワップの限度が無制限の英国スイスに劣らないほど多くの資金をすでに調達した」とし、「日本は2258億ドル、英国は231億ドル、スイスは94億ドルの残高を保有中」と説明した。銀行を中心にドル資金の需要が急増した欧州中央銀行(ECB)の残高は1434億ドルとなっている。

FEDが新型コロナウイルス感染拡大による金融市場の混乱を防ぐために通貨スワップを稼働する14カ国の平均を見ると、稼働率は約10.7%。韓国は31.3%で平均より高い。為替当局関係者は「他国と比べるとドルの供給は少なくない」とし「韓国の場合、当時の市場でドルの需要が大きかったため、十分に供給するという原則に基づき通貨スワップ資金を供給した」と説明したという。

これについて専門家は「市場は安定したが、通貨スワップ資金の相当部分をすでに供給したため為替レートを注視して対応しなければならない」と指摘しているという。記事は「新型コロナウイルス感染の震源地や香港の国家安全法をめぐる米国と中国の対立が為替レート戦争につながる動きを見せているため」とし、「中国は人民元の切り下げで米国の制裁などに対応するとしているが、ウォンは人民元に同調する傾向があり、ウォンの価値下落→為替レートの上昇につながる可能性がある」と説明している。韓国銀行は為替レートが一定水準以上急騰した場合、再び通貨スワップ資金を市場に供給し、状況に応じては期限も延長するとの方針を示しているという。

さらに、記事は「新型コロナウイルス感染が長期化し、輸出企業への打撃が続いていることも懸念要素だ」と指摘。ソウル科学技術大学のイ・サンウク教授は「韓国と外貨準備高が似ているブラジル通貨レアルの価値が揺らぐ最も大きな要因は、経常収支の赤字による外貨流出」とし、「政府は十分だと言っているが、別の角度から見ると外貨準備高が十分だと安心はできない」と主張したという。

これを見た韓国のネットユーザーからも「気を付けよう。IMF危機の苦しかった記憶が今も残っている」と警告する声が上がっている。

また、「コロナ事態の前から文政権は韓国の経済を崩壊させていた。文政権は対策もなくお金をばらまく」「米国が助けてくれなかったら1ドル=2000ウォンまでいっていた」「経済を知らない文政権は借金してお金を使い、そのまま滅びてしまう」など現政権への批判的な声も見られる。

一方で、「何で駄目なの?使うために締結したのでは?」「まだ3分の2残っていると考えるべきだ」と反論する声も上がっている。(翻訳・編集/堂本

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