中国人の高級品購入の8割が海外で、価格差だけでない原因―中国メディア

Record China    2013年9月29日(日) 7時50分

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27日、中国人の海外消費は2012年に1020億ドル(約10兆円)に達し、米国とドイツを抜いて、世界全体の海外消費における過去最高記録を樹立した。写真はニューヨーク。

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2013年9月27日、中国人の海外消費は2012年に1020億ドル(約10兆円)に達し、米国とドイツを抜いて、世界全体の海外消費における過去最高記録を樹立した。2010年の倍近くで、特に高級品の購入は欧州が23%を占め、香港・マカオの26%に続く境外(中国本土外)消費の中心となっている。中国経済網が伝えた。

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中国の境外消費の勢いは今年も続いているが、昨年と比べると香港・マカオが44%増加し、欧州が8%減少した。また、富裕層による海外での高級品購入傾向は昨年と比べても一層明らかになっている。最大の変化は、中国本土での高級品の購入を望む消費者が20%しかいないことだ。高級品は海外で購入するという傾向が強まり続けているのはなぜか。

まず、価格差がある。高級品の国内外での価格差が、中国富裕層を海外での購入に向かわせている最大の原因であることは間違いない。中国商務部の統計によると、中国本土で販売されている高級品の平均価格は香港より45%、米国より51%、フランスより72%高い。一部の人にとってこれは、海外旅行費をまかなうに十分な額であり、海外での購入を選択するのは当然だ。この価格差は主に中国の高額な贅沢品税が原因だ。そして贅沢品税は事実上次の3種類の税からなる。

輸入関税:一般の贅沢品の税率は10−25%だが、高級化粧品や酒類は35−60%にまで上がりうる。

増値税:通常17%前後。

消費税:30%にも達する。

税制以外に、人民元が対米ドル、対ユーロで徐々に上昇していることも国内外の価格差を広げている大きな原因であり、海外での高級品購入へと人々を引きつけている。もちろん、中国人消費者が海外での高級品購入へと傾いているのは価格差のみが原因ではなく、個人資産の増加など他の要因についても考える必要がある。

クレディ・スイスの統計によると、中国人の1人当たり資産は2000年から2012年の間に4倍以上になった。この間に資産家の数も急速に増加。個人所得の増加によって海外旅行は一段と容易になった。

次に商品の選択幅が限られていることがある。中国本土の高級品は数量に限りがあるため、一部の消費者は海外旅行の機会に前から欲しかった商品を購入することが多い。また、中国人消費者の好みは次第に洗練されてきており、他者との違いを示すため、外国で流行しているが国内では知る人の少ない高級品を好む人が増えている。そしてこうした商品は外国でしか買えない。

原産国の重要性もある。中国の富豪1000人を対象にした調査では、「原産国の高級品は品質と信頼性が保証されている」と考える消費者は3分の2に上った。しかも中国では外国製は中国製よりも優れているとの認識が一般的だ。このため外国で買う高級品はより品質が良いとの考えが一層強まっている。

最後にビザの問題がある。中国経済の急成長と国際的地位のたゆまぬ向上に伴い、中国国民は一段と容易に欧米のビザを取得できるようになった。これも中国人の海外旅行者の増加、海外での高級品購入の増加の重要な一因だ。今では海外の高級品の半分近くが中国人によって購入されている。この割合は今後も増加する可能性があり、少なくとも短期的には、中国本土で高級品を購入する割合はさらに減少するだろう。この状況をいかに改善するかが、早急に解決を要する問題となっている。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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