<東京五輪>歓喜に沸く日本、閉塞感打破へ―経済波及効果大きく「アベノミクス」に弾み

八牧浩行    2013年9月8日(日) 7時46分

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7日、IOCは、2020年夏季五輪の開催地に東京を選出した。東京での開催は1964年以来、56年ぶり2度目。日本中が歓喜に沸いている。長期デフレ経済や東日本大震災などにより閉塞感が漂う日本に活力を与えると期待されている。写真は東京マラソン。

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2013年9月7日、IOC(国際オリンピック委員会)はブエノスアイレスで年次総会を開き、2020年夏季五輪の開催地に東京を選出した。東京での開催は1964年以来、56年ぶり2度目。日本中が歓喜に沸いている。長期デフレ経済や東日本大震災などにより閉塞感が漂っている日本に活力を与えると期待されている。

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東京都の試算によると、東京五輪招致の経済波及効果は2013〜20年で合計約3兆円。年平均では約4000億円と、GDP(国内総生産)の0.1%弱に達する。安倍政権の経済政策「アベノミクス」に弾みがつく可能性がある。海外投資家の対日投資が増え、株式市場、金融市場などでの取引が活発化しそうだ。訪日外国人観光客の急増も見込める。

前回1964年の東京五輪はアジア初開催。戦災から驚異的な復興を遂げ、本格的な国際社会復帰を果たした「戦後のニッポン」を世界にアピールした。この五輪に合わせて、「夢の超特急」東海道新幹線や首都高速道路、東京モノレールなどが開業。この時の東京五輪が日本を一つにまとめ上げ、その力強い経済成長は「東洋の奇跡」と評価され、68年には日本のGNPが西独(当時)を抜いて世界第2位まで浮上した。

長期デフレ経済や東日本大震災などにより閉塞感が漂っている日本に、活力を与えるものと期待されている。日本の官民はいったん「目標」が設定されると、これに向け邁進し実現させるのが得意だ。7年後の五輪という大きな目標に向け、総力を挙げることになろう。

東京では2007年から「東京マラソン」が毎年開催され、10代から最年長80歳台のランナーまで、3万5000人以上が健脚を競っている。中国、台湾、韓国、欧米など多くの外国人も参加、皆の心が一つになり、五輪招致の際日本が強調した「スポーツの力」が十二分に発揮されている。「平和な祭典・オリンピック」の2020年東京開催に向け、「平和友好」の輪がさらに広まることを期待したい。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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