青少年スポーツ振興、日本から何を学ぶか―中国メディア

Record China    2013年8月30日(金) 8時40分

拡大

28日、オリンピックの成績では日本は中国に遠く及ばないが、日本の青少年のスポーツ普及や青少年の資質は中国よりかなり優れている。写真は安徽省淮北市の小中学生。

2013年8月28日、中国青年報によると、山東省[シ維]坊市で第21回日中韓ジュニア交流競技会が今月24日に開幕した。体育学校の生徒一色の中国とは異なり、日本や韓国から参加した選手の所属はこれに比べ「純粋」であったようだ。特に日本は、参加者全員が普通高校の生徒だったにもかかわらず、試合での成績は中国のスポーツ専門の生徒にも遜色がなかった。オリンピックの成績では日本は中国に遠く及ばないが、日本の青少年のスポーツ普及や青少年の資質は中国よりかなり優れている。日本の青少年スポーツの理念ややり方に、中国が参考にすべき点はどこにあるだろうか。

8月25日午前、今回の日中韓ジュニア交流協議会の陸上種目が先頭を切って始まった。100m、200m、400mなどの競技種目で、日本の選手の優勢は明らかだった。だが身体条件から言えば、日本選手は明らかに中国の選手よりも大きく劣っていた。

短距離走のエースである杉山美貴さんは、中京大学付属高校所属。18歳の彼女の身長は156cmしかなく見かけは全くスポーツ選手に見えないが、彼女の夢はオリンピック出場だ。「10歳の時、走るのが好きだったので学校のクラブで短距離走を始めて、毎日2時間練習してきました」と取材に答えた。オリンピックに出るという夢は、先天的な条件に恵まれていない杉山さんにとって遠い夢のようだが、短距離走のぬきんでた成績でよい大学に入るのはさほど難しいことではないだろう。本大会日本代表団の不老浩二団長は、独占取材で「スポーツが得意な高校生でも、最終的にオリンピックに出場できる人はほんの一握りに過ぎない。だが、彼らは基本的に一般生徒と同じように、勉強の試験を受けて大学に入学し、社会に出ていくことができる」と語った。

日本では、杉山さんのようにスポーツが得意な生徒は、ほとんどが学校のクラブに参加するところから始まっている。クラブチームはスポーツに興味のある生徒すべてに向け広く門戸が開かれており、生まれついての才能の有無や将来的に優秀な成績がとれるポテンシャルがあるかどうかが選抜条件になっているのではない。そうでなければ、先天的な条件が劣っている生徒はオリンピックに出るという自分の夢に一歩ずつ近づくことはできなかっただろう。

高校生段階の学校におけるスポーツは普及が主な役目で、彼らのような競技成績で高い目標を持つ生徒たちも、大学に入ることでしかコーチや訓練環境などの面で高水準の支援は受けられない。杉山さんの目標もまずは中京大学に入学することだ。中京大学の陸上競技レベルは日本トップクラスだが、それにしても杉山さんがオリンピックの夢をかなえるために在学できる時間はほんの数年にすぎない。大学を卒業すれば、一般の大学生と同様に仕事を探すことになるだろう。

不老団長によれば、日本では高水準の競技スポーツは二つの体系がベースになっている。一つはプロスポーツで、サッカー野球バレーボールなどいくつかの職業化された高水準の種目に限られる。もうひとつはオリンピックを目指す体系で、主に大学や一部の企業支援の社会人クラブがこれにあたる。

オリンピック出場という理想を持つ日本の若者にとって、オリンピック出場の夢がかなうかどうかは個人の才能と成績だけでは決められない。基本的に高校時代には自分の進路を決めなければならず、自分が訓練を受けられる良い条件の大学を選び、優秀な成績や勉学の習得で大学に合格しなければならない。オリンピック出場を果たしている日本人スポーツ選手は通常日本オリンピック委員会や企業の支援を受けているが、こうした支援を受けられるまでには、ほとんどが競技人生の最も厳しい時期を乗り越えている。

選手たちのオリンピック出場にかける志は強く、最終的に出場を果たした時に素晴らしい能力を発揮する。彼らは自分が従事している競技に強烈な思い入れがある。これが日本で学校スポーツの精神が個人の希望を最大限尊重していることにつながっている。不老団長は「彼らの先天的な条件や才能がいくら優れていても、我々は決して生徒を自分の意思に背いてスポーツ選手にさせようと思いません」と言っている。(提供/人民網日本語版・翻訳/EW・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携