<日本人が見た中国>「友達はひとりにしておけない」人づきあいに関する感覚

Record China    2013年7月20日(土) 22時30分

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他者のプライベートを尊重する日本人と、友達とは密接に関わろうとする中国人では、人づきあいに関する感覚もかなり異なる。それは日本人と中国人はそれぞれ、友達づきあいで何を重視するのか?

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毎週土曜日、京都大学の中国人留学生に中国語を教えてもらっている。西安出身、安徽省出身、四川省出身と続き、今年は北京の人。40代なかばをすぎた私が彼らの話題で「一番ついていけない」と感じるのは、ダイエットや彼氏の話題ではなくて、友達づきあいの話だ。

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彼女たちが本国で大学生活を送っていたころ、食事は必ず友達と食べるものであり、ひとりで食べることはなかったらしい。「では、自分は彼氏と一緒に食べてしまったのに、寮のルームメイトがまだ食べてなかったらどうするの?」と聞くと、「もちろん、一緒に行きます」と、我が家に来る子はみんなそう答える。友達が食べ終わるまで、そばの席でじっと待っているのは中国人として当たり前のことらしい。四川省出身の曹(ツァオ)さんは、「友達に彼氏ができたときはホッとしましたよ。これで4人一緒に食事にいけるようになりましたから」と本音も教えてくれた。

6月最初の土曜日、我が家にやってきた北京出身の唐(タン)さんが「今日の午後、美容院にパーマのあてなおしに行くので、四条で友達と待ち合わせをしています」という。友達は美容院までつきそいに来るらしい。唐さんによると、美容院とは必ず友達についてきてもらうところなので、日本でも中国でもひとりで行ったことがない。

「パーマなんてつきあってもらったら時間がかかるでしょ?」

「4時間ぐらいかかります」

「友達に悪くない?」

「全然、問題ないですよ。私がつきあう時もありますから」。

食事や美容院に友人をつきあわせることを、日本人の私なら「彼らの時間を無駄に使ってしまって申し訳なく思う」と言うと、彼女は「中国人なら、友達をたったひとりで食事や美容院に行かせることを申し訳なく思います」と答えた。

韓国では、ひとりで食事をしている人は「一緒に食事をする友達も恋人も家族もいない、かわいそうな人」と見られることがあるという。ソウルでは単独で食事をする若者の姿も見られるようになってきたが、地方都市ではこの見方は強く残っているとか。陸続きだけあって、中国人の感覚と似ている。いや、これは中国から韓国に伝わったものかもしれない。

日本人は時間に重きをおいているので、友人の時間も自分の時間も無駄にしたくはない。中国人にとっては時間は二の次で、つきあいを重視するようだ。

■筆者プロフィール:浜井幸子(はまい・さちこ)

1966年神戸市生まれ。19才の時、初めての海外旅行で行った中国の魅力にはまり、90年代の中国をバックパック旅行する。その後、中国やアジアの食を中心に書くライターとして活動中。著書に「中国おもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」など。

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