中国の大学生が抱えるワーキングプア「アリ族」への不安―米誌

Record China    2013年7月10日(水) 8時40分

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4日、米誌は高学歴でも希望の職種に就職できない中国の大学生の実態を紹介した。写真は吉林省長春市で共同生活するワーキングプア「蟻族」。

2013年7月4日、米誌タイムは高学歴でも希望の職種に就職できない中国の大学生の実態を紹介した。7日付で参考消息(電子版)が伝えた。

今年の中国の大学新卒者は700万人近くに達し、過去最高を記録した。中国の教育データ調査会社MyCOSのデータによると、今年4月の時点で卒業予定の大学生のうち、就職が決まった大学生はわずか35%で、大学院生はさらに悪い26%であった。

大卒者が就職できないことには多くの原因がある。まずは大卒者そのものが大幅に増えた点だ。1999年に中国政府が高等教育の規模拡大を決定したことにより、2003年には212万人だった大卒者が、10年後の2013年には699万人にまで増えた。同時に中国経済は減速期を迎え、新卒者の雇用に消極的な企業も増えている。

さらには中国の高等教育の体制にも問題がある。21世紀教育研究院の熊丙奇(シオン・ビンチー)副院長は「中国の大学は政府の管理下にあり、大学には自主権がなく、独自の教育システムも持てない。このためすべての大学生が画一的になり、革新的な競争力や創造力が育たない」と指摘している。

将来ワーキングプアの「アリ族」になる不安を多くの大学生が抱えている。さらに不幸なことに彼らは一人っ子であり、将来両親の面倒を1人で背負わなければならないのだ。いまだに就職が決まらない新卒者の男性は「きれいなオフィスで働いている人たちが本当に羨ましい。すごく悩んでいるんだ。自分は将来何をすればいいんだろう?」と嘆いていた。(翻訳・編集/本郷)

アリ(蟻)族:高学歴の大卒者でありながら好条件の仕事に就くことができず、家賃節約のために狭い部屋で多数のルームメイトと暮らす若者を指す。

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