新卒者を苦しめる「中国式雇用差別」、一刻も早い解決が必要―中国

Record China    2013年5月24日(金) 8時51分

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22日、今年の中国の大卒者は699万人に達するが、深刻な雇用情勢、雇用の公平性などが注目を集めている。「35歳未満」、「現地戸籍保有者のみ」といった「中国式雇用差別」に対して、卒業生は無力感を抱いている。写真は3月、河南省鄭州市で行われた就職イベント。

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2013年5月22日、今年の中国の大卒者は699万人に達するが、深刻な雇用情勢、雇用の公平性などが注目を集めている。「35歳未満」、「現地戸籍保有者のみ」といったさまざまな「中国式雇用差別」に対して、卒業生は無力感を抱いている。専門家は、「中国は雇用差別を禁止する法律を制定し、雇用差別をなくすべきだ」と主張した。中国新聞網が伝えた。

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◆さまざまな「中国式雇用差別」

「現地戸籍保有者のみ」という戸籍による差別は、「中国特色」の1つだ。中国新聞網の記者が中国国内の求人サイトを閲覧したところ、多くの企業の募集広告には「現地戸籍保有者のみ」、「現地戸籍保有者優先」、「現地出身者のみ」などと記されていた。例えば中国建設銀行の本店は募集広告の中で、「北京市常住居民戸籍の保有者」を明記していた。

「35歳未満」といった年齢差別もまた、典型的な雇用差別だ。「35歳未満」は、ほぼすべての企業説明会および募集広告で見られる重要な条件だ。35歳は中国の特色ある「定年退職年齢」になったかのようだ。

北京市がこのほど発表した、他省出身者の戸籍取得政策もまた、雇用差別の疑いを招いている。同政策は、「北京市に属する各企業・部門が採用する他省出身の卒業生は、本科生の場合は24歳未満、修士生の場合は27歳未満、博士生の場合は35歳未満でなければならない」と規定した。この新政策が発表されると、多くの年齢超過の卒業生の「北京ドリーム」が打ち砕かれた。

学歴・戸籍・年齢といった「中国式雇用差別」の他に、中国の卒業生はさらに性別・容姿・身長・障害の有無・血液型・星座といったさまざまな雇用差別に直面しなければならない。これらのハードルは多くの卒業生にとって、就活の「障害物」になっている。

例えば多くの女性求職者は「男性の方が就職は容易だ」と語った。中華全国婦女連合会婦女発展部と関連機関が、女子大生の就職・創業状況を対象に実施した共同調査もまた、9割以上の女子大生が就活中に性別による差別を受けており、女子大生の就職率が男子を下回っていることを示した。

◆法律による差別の解消

いかに「中国式雇用差別」を解消すべきだろうか。人民日報の社説は、就職のプレッシャーを受け、「公平」の2文字が極めて重要だと指摘した。出身校・性別・戸籍・年齢などの雇用差別をなくし、公平・公正・公開に背く裏の操作と「親のコネ」を撲滅し、公平・公正な競争の雰囲気と社会環境を形成することで、大学生の就職難と彼らの焦りを解消し、「活躍する機会」を共有させることが可能になる。

全国人民代表大会代表、湘潭大学校校長の羅和安(ルオ・ホーアン)氏は、「『憲法』、『労働法』、『就業促進法』などの法規定には、雇用差別を禁じる条項があるが、整った雇用差別禁止の法制度、効果的な行政措置、健全な監督・救済メカニズムが欠けているため、大卒者の雇用差別という現象が依然として普遍的に存在している」と指摘した。

羅氏は、「専門的な法律を制定し、制度面から中国式雇用差別を解消しなければならない。長期的に見れば、雇用差別禁止法の制定は、性別・年齢・身長・学歴・戸籍・出身校などの制限要因を規範化し、『制限性条項』を設けても良いさまざまなケースを明確にできる。また同時に、健全な是正・救済制度を構築するべきだ」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山

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