南シナ海と尖閣、中国の対応に温度差があるのはなぜか=米国を念頭に注意深く地ならし―米華字メディア

Record China    2013年4月12日(金) 7時20分

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8日、南シナ海では有無を言わせない強硬な姿勢を見せる中国だが、尖閣諸島については軍を派遣していないなど、一定の配慮もみられる。この「温度差」の理由について、米華字メディアが評論記事を掲載した。写真は南シナ海艦隊陸戦隊に配属された少林拳部隊。

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2013年4月8日、米華字メディア・多維新聞によると、ボアオ・アジアフォーラムに参加した習近平(シー・ジンピン)国家主席はボアオ付近の潭門村を訪れ、海上民兵組織を視察、南シナ海の安全を尋ね、南シナ海の主権防衛の一翼を担う漁民たちを激励した。以下は記事の内容。

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アジアフォーラムの基調講演で「自らの利益を確保するために地域ないし世界を混乱させるのはもってのほか」と述べ、近隣との協力を強調したが、その前提となる主権と領土の完全性の保護をアピールした。

今回のボアオ・アジアフォーラムでは、領海の主権問題について表立った言及はなかったものの、漁民との交流は中国の主権問題にかける強い姿勢をうかがわせ、フォーラムでの欠落を補うものとなった。

南シナ海に関しては、漁民との交流、西沙諸島(パラセル諸島)への観光開発、南シナ海艦隊による盛んな海上活動などを行なっているのに対し、釣魚島尖閣諸島)では海監が巡航を続けているものの、漁業活動は安全に細心の注意を払う必要があり、海軍は遠く西太平洋での訓練を強いられている。習近平主席は総書記就任後に広州軍区を訪れて主権防衛を誓ったが、釣魚島を管轄する南京軍区では行われていない。

アジアフォーラムでも、福田康夫元首相との会談で日中関係は話題に上らず、南シナ海と釣魚島への対応に温度差が見られる。

日本はかつての要人による相次ぐ訪中や、H7N9型鳥インフルエンザや大気汚染問題から対話の糸口を見つけようとしており、すでに主権争いでは中国が風上に立っていると言える。弱い者いじめをし、強い者にへつらう日本の民族性に鑑みれば、この勢いで日本に主権争いの問題を認めさせるべきだとの分析もあり、上記のような温度差に違和感を覚えている者も多い。

だが、評論家は南シナ海問題での強硬な姿勢は狙いがあってのものだと述べる。フィリピンやベトナムは、米国の支援はあるものの同盟国ではなく、米国は直接南シナ海問題に首を突っ込んでくることはない。しかも、習主席はロシア訪問、ダーバンでのインドのシン首相との会談で、外交的にはロシア、インドによる南シナ海への干渉を脱している。アジアフォーラムと前後して、習主席はブルネイ、ミャンマー、カンボジア等、南アジアでの利害関係国と会談し、対中敵対勢力の分散を進めた。

一方で、釣魚島問題では、中国の軽率な行動が米国との武力衝突を招くおそれがあり、すでに中国と日本だけの問題ではなく、中国・米国・日本の問題となっている。中国台頭の極めて重要な時期においては、中米の良好な関係が釣魚島回収に優先する。中国が釣魚島で所定の目標を達成すれば、中米日三国関係の勢力変化の主導権を握り、米国の定めた戦後の北東アジアの勢力図を塗り替えることになるが、現段階の中国にとってはあまり現実的ではない。中国は発展の中で少しずつ三国の勢力関係を変え、釣魚島に向けて地ならしをする必要がある。(翻訳・編集/岡本悠馬)

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