村山元首相、「日本には日中関係の膠着状態を和らげる責任がある」―中国メディア

Record China    2013年2月19日(火) 11時28分

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18日、中国メディアのインタビューに答えた村山富市元首相は、「訪中から帰国後、私は安倍首相に対して、進歩的な観点から日本の今後の方針について新たな談話を発表することを望むと表明した」と語った。資料写真。

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2013年2月18日、中国共産党機関報・人民日報の傘下環球時報のインタビューに答えた村山富市元首相は、「訪中から帰国後、私は安倍首相に対して、進歩的な観点から日本の今後の方針について新たな談話を発表することを望むと表明した」と語った。

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かつて「村山談話」を発表して、日本の植民地支配の歴史について反省とおわびをした村山富市元首相は今月11日、環球時報のインタビューに応じた。村山元首相は1月末、「両国が顔を突き合わせて話し合いのできる環境を整える」ため、日中友好協会名誉顧問として団を率いて訪中した。日本政府が歴史観の見直しを計画し、憲法改正の歩みを加速する中でも、村山元首相は訪中時に「安倍内閣がそう簡単に右傾化路線を歩むことを日本国民は許さないと信じている」と強調した。島嶼紛争問題については「意見を保留」し、「日本政府は自ら意志疎通の責任を負い、日中関係の膠着状態を和らげるべきだ」と述べた。

■日本政府が行った馬鹿なこと

記者:村山元首相は繰り返し中国を訪問されていますが、今年1月の訪中には特殊な背景がありました。過去の訪中とは気持ちの面で何が違ったか教えていただけますか?

村山元首相:2012年は日中国交正常化40周年でしたが、島嶼紛争問題のために多くの記念行事が取り消しを余儀なくされました。ですから率直に言うと、今回の訪中を前に私は多少緊張を感じていました。しかし今回、前国務委員で中日友好協会会長の唐家セン氏との1時間半におよぶ会談では、それほど緊張した雰囲気ではなく、話を進めるにつれて互いに打ち解けていきました。私たちは日中両国の歴史から日中関係の現状についてまで話し合い、尖閣諸島問題にも言及しました。この問題は対話ルートを通じて解決すべきとの考えで私たちは一致しました。

今回私は日本政府を代表してではなく、民間団体である日中友好協会の代表の1人として訪中しました。現在最も肝要なのは緊張を緩和し、両国が顔を突き合わせて話し合える環境を整えることだと思います。現在、中国公船があの海域でパトロールを行い、日本も海上自衛隊を派遣しており、現場の状況は非常に緊張しています。こうした緊張を緩和する方法を考えなければいけません。問題の鍵を握っているのは、この件に対する日中両国民の姿勢です。民意の支持なしに政府が進めることは難しい。対話ルートを通じて解決を図ることのできる環境を整えることが、両国の民間団体の責任です。これが私の訪中の目的であり、私は日中両国民共に対話による解決を望んでいると信じています。

記者:日本国内では村山元首相の今回の訪中に関する報道が多くありません。その前に訪中した公明党代表の釣魚島(尖閣諸島)問題棚上げに関する発言は政府の主張と相容れないとするメディアもあります。この他、丹羽宇一郎前大使の発言や、鳩山由紀夫元首相が1月17日に南京大虐殺記念館を見学したことも批判されました。日本国内の政治的見解はなぜこのように分かれているのでしょう?

村山元首相:日本は言論の自由な社会であり、メディアはどのような報道も行えます。この問題の本質に対する見解は人それぞれ異なります。私も現在、政府の立場を代表することはできず、個人的見解に過ぎません。ただ私は「日中両国は難題に直面しているが、現在の日中関係はとても長い歴史の中で築かれたものであり、日中関係を守る観点に立ち、両国はもっと意志疎通を図り、交流すべきだ」という一点を強調したい。

記者:村山元首相のような日本の前の代の政治家から見て、どうすれば中日関係を正常な軌道に戻すことができると思われますか?膠着状態を打開するのは日本側であるべきでしょうか?

村山元首相:率直に言って、日本政府は馬鹿なことをしました。事実上、日本はすでに島を長期間実効支配していました。それが正しいことか間違ったことかはさておき、中国側はこれを「黙認」していたのです。日本政府がわざわざお金を払って「国有化」する必要は全くなかった。もし日本がそこの油田を開発したいのであれば、中国と話し合い、協力すればいい。島嶼の最終的帰属についてもつれ合う必要はない。したがって、日本が自ら意志疎通の責任を負うべきです。ですが、島嶼が一体どの国の領土なのかに関しては、私は意見を保留します。

1972年の国交正常化の際、すでに日中の指導者は島嶼問題を一時棚上げすることで合意しました。1978年の日中平和友好条約締結の際も、両国の指導者は同様の対話を行い、「もっと優秀な」後の世代に問題の解決をゆだねることを決めました。

■賢明な国はみな日中戦争を望まず

記者:釣魚島(尖閣諸島)問題について村山元首相は現世代または次の世代に、果たして解決の知恵があると思われますか?米国やフィリピンなど、多くの国は中日間の戦争を待ち望んでいるのでしょうか?

村山元首相:知恵があるかどうかは二の次であり、肝要なのは知恵を結集して共に方法を考えることです。悠久の歴史の流れの中で、日中関係には良い時もあれば良くない時もありました。しかし両国の先賢たちは共になんとかしてこの問題を乗り越え、今日の両国関係を構築しました。私たちは彼らの努力を無にするべきではありません。今後の日中関係は、ウィンウィンの方向へ発展させなければなりません。これは日中両国間のみの事ではなく、アジアの平和と繁栄にも関係します。アジア各国は日中友好を切望し、全世界も日中友好を切望しています。このような小さな事のためにけんかするのは、全く愚かの極みです。日中両国の政治家は歴史を鑑として、共に方法を考えなければなりません。明確な目的さえあれば、必ず方法を考え出すことができます。

もし日中間で本当に戦争が起きれば、米国はたまったものではありません。賢明な国はみな日中戦争を望んでいません。米国も当然そうです。過去にフランスとドイツの間で2度大戦が起きましたが、これは両国国境の鉱物資源の奪い合いが原因の一部でした。第2次大戦終結後、仏独両国は再び戦争を繰り返せば両国が共に滅亡するだけで、欧州全体も壊滅しうることを認識し、このために資源の共有、利益の分配について合意しました。こうして今日の欧州連合(EU)があるのです。日中両国もこうした歴史を参考にし、日中を中心にアジア同盟を築き、助け合いの体制を形成すべきです。

記者:中国では比較的日本を理解している多くの人が、日本は第2次大戦で本当に日本を打ち負かしたのは中国人ではなく米国人だと考えているので、現在も中国人に従わないとよく言います。こうした考えには同意されますか?

村山元首相:私は一貫して、日本を打ち負かしたのは米国ではないと考えています。日本が広大な中国大陸で覇権を唱えようとしたのは、全くもってかなう見込みのない企てでした。開戦当初から、失敗する運命にある戦争だった。これこそが日本が敗戦した根本的原因です。もし米国が参戦しなければ、日本は必ず中国を打ち負かせたと考える日本人ももちろんいます。こうした考え方の日本人は、全体を見ることができないのです。

■安倍首相に「村山談話」を継承してもらいたい

記者:村山元首相が1995年に発表された「村山談話」は、日本政府が歴史を直視した重要な象徴と考えられています。しかし日本の新政権は歴史観を見直すつもりで、「有識者懇談会」を立ち上げて「21世紀にふさわしい、未来志向の新しい談話」、すなわち「安倍晋三首相談話」を起草することを計画しています。発表されうる新しい談話に対して、最も基本的な忠告や提案として何をお持ちですか?

村山元首相:いわゆる「新しい談話」に関して、どのような考えでそうするのか私から安倍首相に直接聞いたことはありません。ですからここではコメントは差し控えます。しかし、安倍首相は就任前に「村山談話を継承する」姿勢を自ら表明しました。これは本心だと信じています。訪中から帰国後、私は安倍首相に対して、変化し続ける国際情勢の中で、「村山談話」継承の立場に立って、進歩的な観点から日本の今後の方針について新たな談話を発表することを望むと表明しました。

記者:田中角栄元首相や小渕恵三元首相といった日本政界の要人はいずれも、歴史問題について公に反省と談話を行いました。しかしかつて日本の侵略を受けたアジアの国々は、日本国内には歴史を直視できない勢力が依然いて、こうした勢力のために日本はドイツのように歴史を徹底的に反省することができずにいると常に考えています。これはなぜだとお考えですか?

村山元首相:実際のところ、当時の「村山談話」は私個人の見解ではなく、閣僚全体の同意と、自民党、新党さきがけ、社会党の三党連立政権の同意を経て、私が代表して発表したものです。一部の日本国民からの批判や誤解はありますが、これは極わずかな人々です。「村山談話」発表後、日本の歴代首相は「村山談話を継承する」と異口同音に表明してきました。これが日本政府および日本国民の姿勢です。ほんの一握りの反対勢力が存在するのは事実ですが、これは仕方のないことです。

■日本国民は安倍内閣の右傾化を許さない

記者:中国では村山元首相は「中国の友人」「良識ある政治家」と称されています。漁師家庭の出身でいらっしゃることもその1つの要因ですが、現在日本の政界は世襲制が深刻なうえ、頻繁に首相が交代しています。どうしてこのような変化が生じているとお考えですか?

村山元首相:原因は一言では言えません。選挙制度自体にも一定の問題があります。以前は中選挙区制度でしたが、現在は小選挙区制度を実施しています。1つの選挙区から1人しか当選できないため、政治家の子を議員に選んでこそまあいけるだろうと考える有権者もいます。有権者の判断であり、かつ優秀な人が当選するのでさえあれば、たとえ「世襲」でも別に悪いことではありません。有権者の判断を尊重してこそ、民主的な選挙制度を維持できるのです。

もちろん短命政権、頻繁な首相交代はよくありません。現在日本は変動期にあります。長年の間、日本はずっと自民党政権でした。しかし自民党は汚職を含む問題を抱えているため、日本国民は民主党が政権に就くことを期待し始めました。しかし民主党は経験不足で、内部分裂もあり、十分な政権運営力がありませんでした。現在日本政界は群雄割拠の時代に入っていると言えるでしょう。みんなの党、日本維新の会などが続々と登場しています。現在の自公連立政権は3年前後も続くことができるはずだと私は見ています。

記者:安倍内閣は右傾化しつつあるとの考えがありますが、どうお考えですか?

村山元首相:実際には、彼らがこのように右傾化していくことを日本国民が許すかどうかを見なければなりません。安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を呼びかけています。日本の戦後の政治体制は間違っていると考えているのです。何が間違っているのか?憲法です。だから憲法改正を主張しています。しかし注意深く考えてみると、第2次大戦終結から現在にいたるまで、日本の自衛隊が銃を持って人を殺したことはありません。これは日本の歴史においても初めてのことです。日本の戦後の経済的繁栄は次第に他の国々から認められ、「日本は優秀な国だ」と称賛されるようになりました。日本国民もこれに深い感慨を覚えました。原爆による攻撃を受けて以降、日本全体が二度と戦争を発動してはならないと心底反省しました。平和憲法に守られて、日本は朝鮮戦争やベトナム戦争に参加しない権利を持ち、また幸いにも参加しないですみました。これらはいずれも「平和憲法」があったおかげです。ですから日本は「平和憲法」を守らなければならない、日本国民もそういう気持ちです。したがって、安倍内閣がそう簡単に右傾化路線を歩むことはないだろうと私は考えています。この点において、私はやはり日本国民を信じています。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山

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