中国、2035年までに原子力空母4隻建造、それでも「経験不足で戦闘力は米海軍に及ばない」―香港紙

Record China    2019年2月24日(日) 20時10分

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香港紙は「中国海軍が2035年までに新たな原子力空母4隻を建造する計画」と報じた。最終的には空母6隻による戦闘態勢を整える構想だが、記事は「経験不足のために米海軍には戦闘力では及ばない」と分析している。写真は中国国産空母。

2019年2月22日、中国海軍は2035年までに米海軍に追い付くことを目標に新たな原子力空母4隻を建造する計画だ、と香港紙が報じた。中国海軍は現在2隻の空母を所有。最終的には空母6隻による戦闘態勢を整える構想だが、記事は「戦闘経験不足のために米海軍には戦闘力では及ばない」と分析している。

中国海軍では2012年に就役した空母「遼寧」だけが実戦配備され、国産空母「001A型」はまだテスト段階にある。「遼寧」は旧ソ連で設計された船体を建造途中でウクライナから購入して中国で完成させた空母で、乗組員の訓練に使用されている。

中国の習近平国家主席は2035年までに人民解放軍を近代化し、2050年までに世界トップクラスの軍事力となるよう指示。こうした近代化の中で、陸軍部隊を減らして空軍、海軍にもっと予算を割くように命じた。

香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」によると、中国の原子力空母4隻は2035年までに海軍に配備される見通し。米空母などが使う蒸気式カタパルトよりも戦闘機の射出が容易な電磁式カタパルト(EMALS)が搭載される。軍事専門家は「中国海軍の空母は6隻になるが、戦線に投入されるのは4隻だろう」とみている。

原子力空母4隻の配備が実現すれば、中国海軍の装備は米海軍に匹敵するが、同紙は「中国海軍には実際の戦闘経験が不足しているという問題がある」と指摘。同時に軍事専門家の「中国軍の総合的な軍事力は戦闘経験の不足によって限定されるものの、空母や艦載機の技術は米軍と匹敵するレベルになるだろう」「米軍と同レベルに達するまで中国は軍事力を増強しなければならない」との見方も紹介している。

空母増強の背景として、サウスチャイナ・モーニングポストは「中国は海軍力の近代化を早急に進めることが貿易航路の安全確保や公海上の平和維持に必要だと主張してきた」と説明。一方で「日本や米国などの関係国は、こうした中国の主張には懐疑的で、中国が敵対的な姿勢に転換したとみている」と言及した。

原子力空母に関しては昨年3月、中国メディアが「中国の国有造船大手『中国船舶重工集団』が2025年までに同国初の国産原子力空母を建造する計画を公表した。同社は計画を盛り込んだ『綱要』で習主席が『海洋強国』建設の加速を求めているとして、習氏への忠誠も表明した」と一斉に報道。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報も昨年12月、2人の軍事専門家が「2025年ごろに中国初の原子力空母が進水するという見解を示した」と伝えた。(編集/日向)

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