<尖閣問題>軍事衝突前に考慮すべき事後の問題、軍人には回答不能―中国メディア

Record China    2013年1月24日(木) 20時20分

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22日、新華社通信は、尖閣問題により軍事衝突が発生する可能性が高まっているが、中国はそれ以前にその目的や効果、どんな問題が起きるかなどを十分考慮すべきだと指摘した。写真は歴代中国指導者の肖像画。

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2013年1月22日、新華社通信は、尖閣問題により軍事衝突が発生する可能性が高まっているが、中国はそれ以前にその目的や効果、どんな問題が起きるかなどを十分考慮すべきだと指摘した。ただし、これらの問題は軍人が答えられるものではなく、政治家や戦略家が一丸となって考える必要があるという。

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軍事衝突がいつ発生しても不思議でない程度にまで日中間の緊張が高まっている。各方面からの状況を考え合わせると、両国ともに突発的な衝突に対する考えや行動の準備を終えているとさえ見受けられる。ただ、この衝突の戦略的な目標は一体何なのだろうか?衝突が起こった場合、軍事的意義と戦略的意義のどちらが大きいのだろう?

軍事的意義が大きいとすれば、軍事行動の最終結果は軍事面のみにとどまる可能性が高く、中国が勝っても負けても、中国の将来に有利な戦略的局面をもたらさず、マイナスの影響を与える可能性すらある。

この問題を考える前に、1979年の中越戦争の戦略的意義を回顧する必要がある。当時、米国とソ連(現在のロシア)が覇権を争っており、ソ連を敵視していた中国は米国側に立ち、ベトナムをソ連の手先と見ていた。

この戦いにおいて中国は、1.文化大革命による内乱の後の国民の気持ちを1つにまとめた効果。2.トウ小平の共産党内での威望を確立した効果。そして最も重要な、3.背後のソ連に打撃を与えるとともに、米国をリーダーとする西側世界との融合の端緒をつかみ、1979〜89年の10年間の改革開放の成功へとつなげた効果――を得て、事実上、軍事的意義は二次的なものだった。

しかし、中国が現在直面している国際的な局面は当時とはまったく異なり、事実上、中国と米国が対峙する状況になっている。この状況下で、多くの国が米中両国間でバランスを保とうとしている。

従って、尖閣問題に関して軍事行動が必須の選択であるならば、中国が考慮すべき問題は、その最終結果は中国により多くの局面を打開する手助けになるのか?それとも、中国の未来にとってさらなる困難をもたらすのか?である。

近年、中国の周辺では安全に対する様々な脅威が満ちあふれている。軍事衝突が注目を集める背景には、経済の発展によって発展を遂げた中国はそれなりの実力と実力の背後にある意志を示すべきであるとの人々の焦りがある。同時に、軍事行動という強硬な態度によって見せしめの効果を挙げる狙いもある。

ただし、この軍事行動の本当の対象は一体誰なのか?これによってどんな局面が出現するのか?将来の新しい戦略や局面は中国をどんな方向へ向かわせるのか?など、軍事行動を開始する前にすべての事柄について考慮しなければならない。そして、こうした問題は軍人が答えられるものではなく、中国の戦略家や政治家、エリート全員で考えるべきだ。(翻訳・編集/HA)

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