「携帯電話には亡き父の画像が!」良心が残っていた泥棒、持ち主に返す―湖北省武漢市

Record China    2013年1月5日(土) 21時50分

拡大

3日、亡き父親の画像を保存していた携帯電話をバスに乗る際に盗まれた女子大生。大声で事情を説明し、携帯を返してくれるよう、その場にいるはずの泥棒に訴えたが…。

(1 / 2 枚)

2013年1月3日、「良心的な」泥棒が盗んだ携帯電話を持ち主の女子大生に返すという珍しい事件が、中国湖北省武漢市で発生した。4日付で楚天都市報が伝えた。

その他の写真

3日午後6時半(現地時間)ごろ、女子大生の倪丹(ニー・ダン)さん(21)は武漢市内のバス停で741番の東西湖行きのバスを待っていた。倪さんの前と後ろには若い男がぴったりとくっついて立っていた。バスが来て乗り込もうとした時、倪さんの前の男は乗車口で「バスカードがない」と片手でポケットを探りながら、もう一方の手で倪さんの荷物を車内に入れてあげようとした。その不自然な行動を不審に思った倪さんが自分のジャケットを探ると、右のポケットに入れてあった携帯電話がない。しかも、後ろにいたはずの男の姿も消えていた。

倪さんは共犯者と思える前の男に「私の携帯を返して!」と叫んだ。「携帯なんか知らないよ」と男。「携帯のなかには私の父の写真が入っているの。父は病気で死んじゃったから、私は毎日携帯の写真を見て父を思ってるんだから!」と訴えたが、男は無言のまま。すると他の乗客が「後ろに停車している621番のバスの中を探してごらん」と彼女にささやいた。

621番のバスに乗り込んだ倪さんは大声で「私の携帯電話を返して!」と叫んだ。「お願いだから私の携帯を返して。携帯なんていくらにもならないでしょう?あの携帯には父の写真が入っているの。父はもうこの世には…」と、彼女は必死で訴えた。バスの運転手は前後のドアをすべて閉めてくれ、親切な人が彼女の携帯電話の番号にかけてくれたが何の反応もない。がっかりした倪さんがバスを降りると、前方の741番のバスはまだ発車せずに待っていた。倪さんが741番に乗り込むと、「携帯は見つかった?」と運転手。倪さんは黙って首を振ると、荷物を持ってバスから降りてしまった。

失意の倪さんは地面に突っ伏して泣いた。すると動き出した621番のバスが止まった。倪さんの携帯に電話をかけてくれた女性がバスから降りてきて叫んだ。「あなたの携帯は741番のバスの中よ!」実は倪さんが621番のバスから降りた直後に、倪さんの携帯から男の声で「携帯は741番にある。彼女に取りに来いって言ってくれ」と電話があったという。倪さんはタクシーを拾って、741番のバスを追いかけた。そして次のバス停で追いついた。そこには30歳過ぎの男がいて、「これ、あんたの携帯だろ?」と言いながら携帯電話を手渡すと、すぐに姿を消した。倪さんは「盗んだ人にも良心が残っていた」と感動。さらに協力して携帯を探してくれた741番と621番のバスの乗客にも深く感謝している。

倪さんの携帯電話に保存されていた父親の写真は3枚。1枚は彼女が中学3年生の時、一緒に公園に行って写したもの。残りの2枚は入院中の父親が自分で写したものだ。父親はがんで2008年に亡くなったが、学校で試験中の彼女は父親の最期をみとることはできなかったという。(翻訳・編集/本郷)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携