「僕らの日中友好の思いを伝えたい!」波乱を乗り越え開催した日本祭、原動力は高校生たち―上海市

Record China    2012年11月20日(火) 14時8分

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16日、中国上海市浦東区の上海日本人学校高等部で日本祭が開催された。日中関係が悪化しているなか、開催に至るまで多難なみちのりだったが、現地の高校生の奮闘により意義のある祭となった。

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2012年11月16日、中国上海市浦東区の上海日本人学校高等部で日本祭が開催された。同校と上海市内にある高校の日本語クラブが共催し、在上海日本総領事館の後援で行われた。

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日本祭は日中間の溝が埋まる見込みがない中、両校生徒の頑張りにより、様々な苦労を乗り越えて実現にこぎつけた。また、日本人学校高等部生徒会は上海市内の学校・企業や日本国内の学校に日中友好祈願の千羽鶴作成を呼びかけ、すでに1万2000羽を超え、日本祭が終わった現在も各地から届けられている。

上海日本人学校は中国上海市にある在中邦人のための初等、中等(中学校、高等学校)教育を行う日本人学校。学校は虹橋校と浦東校に分かれ、中等教育は浦東校のみで行われる。2011年4月には世界初の日本人学校高等部を開校した同校だが、それ以降は元気のない状態が続いていたという。昨年度も平和双語学校から日本祭への協力依頼があったが、結果的に観覧する側になったこともあり、今年はその「リベンジ」を果たすべく生徒が奮闘した。

日本祭の企画は夏休み前から進められ、日中の生徒が互いに会議を行い、メールなどを通して打ち合わせを繰り返した。しかし、尖閣諸島問題などで日中関係が悪化し、生徒の中には地下鉄やタクシー、路上で嫌がらせを受けた者もいた。また、周囲では保護者の働く企業の撤退や小中学部の運動会中止など、日本祭開催は一気に暗礁に乗り上げた。

さらに、日本祭の前々日には会場となるはずだった平和学校の体育館が破損し、同校の担当生徒は昼食も食べずに会場探しに奔走した。その結果、クラブハウスを見つけたものの、昨今の状況を鑑み、「日本公民を保護しなければならない」という理由で上海市からの許可は下りなかった。前途多難な現状に、現地校側の担当教員が涙ながらに「もうだめかもしれない」と落胆するほどだったという。

こうした理由から最後の頼りとしていた日本人学校高等部の校舎が使われることになった。校舎といっても、日本人学校浦東校に隣接するマンションの一部。生徒は校舎とは呼ばず塾室などと言っている場所である。決して日本祭の開催場所に適しているとはいえないが、他に場所がなかった。それでも保護者たちの協力のもと、テントなどが設営され、模擬店も準備された。開催のめどが立ち、現地校の教員と生徒は大いに感動したという。

幾多の困難を乗り越え開催された日本祭は大盛況のうちに閉幕。関係者は「お互いの日中友好への思いが通じた瞬間だった」と喜びを露わにした。また、日本人学校の生徒は、「僕らはこの時期だからこそこの祭を実現したかった。僕たちの気持ちをみんなに伝えたかった」と胸の内を語っている。日本祭は上海の高校生たちの頑張りによって成功したといっても過言ではないだろう。日本人学校によると、折り鶴は日中国交40周年の今年いっぱい集める予定。(取材・TK Shanghai/編集・内山

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