<反日デモ>「反政府」訴える横断幕も出現、矛先はついに中国政府に?―香港紙

Record China    2012年9月18日(火) 13時7分

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17日、尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモの参加者に「反政府」を申し立てる一群も目立つことから、「反日」がいつの間にか「反政府」に様変わりする危険性もあると香港紙が指摘した。写真は中国各地の反日デモ。「自由、民主、人権」などと書かれた横断幕も。

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2012年9月17日、香港紙アップル・デイリーは、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化に抗議する反日デモの参加者に「反政府」を申し立てる一群も目立つことから、「反日」がいつの間にか「反政府」に様変わりする危険性もあると指摘した。

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中国では15日に北京、青島西安成都など52都市、16日にはさらに拡大して85都市で大規模な反日デモが繰り広げられた。そのうち、最も激しかったのは広東省の深セン広州。数万人が反日を訴える横断幕を掲げ、日本総領事館などを襲撃した。

ところが、デモ参加者の中には明らかに「反政府」と分かる横断幕を掲げる一群も少なくなかった。広州では「自由、民主、人権、憲政」と大きく書かれた横に小さく「保釣(尖閣防衛)」、「政治改革を求める」といったスローガンが書かれた横断幕を掲げる参加者も。

軍服を着た退役軍人の一群も出現した。このグループは近年、何度も地元広東省の中国共産党委員会に陳情に訪れており、当局から「維穏(社会安定の維持)」を脅かす存在とみなされ、重点取り締まり対象としてマークされている。

深センでは「汚職役人を養い、ローン地獄に陥っている。釣魚島(尖閣諸島)は絶対に放棄しない」と手書きしたTシャツを着ている参加者もいた。「保釣(尖閣防衛)」関連の言葉が「お守り」代わりに添えられただけで、現状に対する不満を訴えたものであることが分かる。

また、湖南省長沙では「裏切り者を根こそぎ取り除け、裸官(*)を引きずり下ろせ」、貴州省貴陽では「城管(都市管理局職員)と汚職役人が釣魚島(尖閣諸島)を取り戻しに行け」、「日本を滅ぼすことが出来ない者は、毛沢東に代わって棺に入れ」などの横断幕もみられた。

毛沢東回帰路線をとってきた左派(保守派)の代表格である薄熙来(ボー・シーライ)氏がトップを務めていた重慶市では、「小日本(日本に対する蔑称)は出て行け!薄書記は早く戻って来い!」と書かれた横断幕もみられた。薄氏は改革開放路線により生じた貧富の差の是正や暴力団一掃に力を入れるなど、今でも市民の間で根強い人気を誇っている。

このほか、多くの都市で毛沢東の肖像画を掲げ、現政権に対する不満を表した参加者もいた。こうした動きに対し、香港の時事評論家、劉鋭紹(リウ・ルイシャオ)氏は「『反日デモ』がいつの間にか『反政府暴動』に様変わりする可能性もある。中国政府は民意を借りて日本に圧力をかけようと試みたが、最後には自らの首を絞めることになるかもしれない」との見方を示している。(翻訳・編集/NN)

(*)裸官:将来の高飛びを見据えて家族や財産を海外に移し、自身は中国に単身残って私腹を肥やす政府高官のこと

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