中国が「死の海」ロプノールに鉄道建設、その狙いとは?―ドイツ紙

Record China    2012年7月31日(火) 6時5分

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23日、中国新彊ウイグル自治区に位置する「死の海」と呼ばれる塩湖、ロプノールに中国が巨額を投じて貨物鉄道を開通予定であることが分かった。写真は同鉄道の建設現場。

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2012年7月23日、ドイツ紙ディ・ヴェルトによると、中国新彊ウイグル自治区に位置する「死の海」と呼ばれる塩湖、ロプノールに中国が巨額を投じて貨物鉄道を開通させる予定だという。27日付で環球時報(電子版)が伝えた。

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ロプノールは数十年にわたる環境破壊や砂漠化により、1972年に完全に消滅してしまった塩湖であり、かつての楼蘭王国もこの地域に存在し、地理的・歴史的に重要な意義を持つ地区の中心に位置していた。20世紀初頭にはスウェーデンの探検家スウェン・ヘディンら著名なシルクロード研究者が古代文明の痕跡を求めて船に乗り、塩湖の一部を航行することもできた。1980年には中国の地質学者・彭加木(ポン・ジアムー)氏が研究のためロプノールに入って失踪し、1964年には1回目の核実験が行われた。

この年間200日も強風が吹きすさぶ荒涼とした地に、1km当たり100万ユーロ(約9600万円)も投じて全長373.8kmの鉄道が敷かれることになった。中国鉄道部、新彊ウイグル自治区政府、国家開発投資公司の3者が合わせて30億元(約360億円)を投じた同鉄道建設の狙いは、ロプノールから農業用肥料として必要なカリウム塩を運び出すためだ。

調査によると、ロプノールには5億トンものカリウム塩が埋蔵されている。中国は毎年1000万トンのカリウム塩肥料を使用するが、うち70%は輸入に頼っている。これまで、ロプノールからカリウム塩を運び出すには、コストの高い道路で運ばなければならなかったが、鉄道を使えば輸送費が半分に抑えられる。同鉄道ならば毎年3000万トンの貨物輸送が可能となり、この「死の海」にはまだ豊富な石炭、銅、金も眠っているという。同鉄道は10月に貨物路線の「クムル−ロプノール線」として開通予定。(翻訳・編集/中原)

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