「海底は月面のようだった」=深海探査艇「蛟龍号」の乗組員が語る水深6965mの世界―中国

Record China    2012年6月22日(金) 11時0分

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19日、中国の深海探査艇・蛟龍号が世界記録となる水深6965mの潜航に成功した。操縦を担当した唐嘉陵乗組員は海底で3時間にわたる作業を実施、海水や堆積物などのサンプルを採集した。写真は蛟龍号。

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2012年6月19日、中国の深海探査艇・蛟龍号が世界記録となる水深6965mの潜航に成功した。操縦を担当した唐嘉陵乗組員は海底で3時間にわたる作業を実施、海水や堆積物などのサンプルを採集した。21日付で網易探索が伝えた。

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「海底の印象は、深い、というよりも荒涼としていて寂しげでした」唐乗組員は当時の状況をこう語った。「石もなく、起伏もありません。森のように風や鳥の声が聞こえるわけでもなく、山のように連綿と続く峰が見えるわけでもありません。ただただ想像したこともない平穏さ、静けさがありました。ライトをつけてみると、海底は見渡す限り真っ平らで、砂地というよりもチーズに似ていました。ドロドロとした淡い褐色の堆積物は、蛟龍号が軽く当たっただけで泥煙となって辺りに立ち込めました」

「海底ではとても小さな昆虫に似た生物を目にしましたが、隙間の大きい探査艇のロボットアームでは捕獲できませんでした。平坦な海底には海洋生物の生息を物語る小さな空気穴がたくさん開いていました。ドロドロの堆積物は、サンプル回収装置が周囲に当たらないように、長い時間をかけて慎重に採取しました」

唐乗組員はサンプル採取や、写真、映像の撮影などを行い、『中国有人潜水艇蛟龍号第47回潜航』と書かれたプレートを設置した。「海底では底流が風のように流れ、虫のような生き物が四方へ逃げ、スクリューが泥を巻き上げました。泥でふさがれた視界が良くなるのを待って、プレートの写真を撮影し、永遠の別れを告げました。まるで月にやって来たような、誰も訪れたことのない遠い場所に来たようで、本当の孤独を感じました」

22日には三回目の潜水テストが予定されており、蛟龍号は海底7000mの世界にアタックする。(翻訳・編集/長河)

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