成田空港が40周年、平坦ではない道のり―中国メディア

人民網日本語版    2018年5月22日(火) 14時50分

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成田国際空港は5月20日に開港40周年を迎えた。この40年を振り返ると、たどってきた道のりは決して平坦ではなかった。

成田国際空港は5月20日に開港40周年を迎えた。この日、空港のターミナル出発ロビーで、乗客に「40」と「Narita Airport」の文字がデザインされた記念のハンカチが配られた。空港ホームページのトップページのキャッチフレーズも「『つなぐ』成田空港。」になった。この40年を振り返ると、成田のたどってきた道のりは決して平坦ではなかった。

1960年代、日本の経済高度成長にともない、日本と世界の人と商品貿易の往来が大幅に増加し、国際航空輸送の需要もますます増大した。滑走路の整備拡充や空港の処理能力引き上げなどを求める各界の声も日に日に高まっていった。そこで当時日本で最も重要な国際空港だった羽田空港の拡張計画が議事日程に上がるようになった。

だが専門家が詳しく検討した結果、羽田の拡張は東京港の「港湾計画」や米軍の航空管制空域の影響を受けることが分かった。こうした問題を解決しようとすると、当時の技術的条件では、空港の処理能力は20〜30%しか向上しないことも分かった。そこで日本政府は首都圏周辺に新空港を建設することを決定し、その名称を暫定的に「新東京国際空港」とした。初めは千葉県の浦安町(現・浦安市)や富里町(現・富里市)など複数の候補が挙がっていたが、種々の要因を検討した結果、当時の佐藤栄作内閣は最終的に66年7月4日、候補に挙がっていなかった千葉県成田市三里塚に新空港を建設することを閣議決定した。ここを選んだ重要な要因は、政策決定者たちがこの地域は第二次世界大戦後に農民が開墾した土地であって、土地の接収が比較的容易であると考えたからだった。だがこうした「虫のいい計画」がその後、相次ぐトラブルの根本原因になるとは当時の政権にいた誰もが思わなかった。

政府は当初、空港建設は非常に順調に進むだろうと考え、周辺の住民に事前の説明を行わなかった。やがて土地の接収や建設が進むにつれて、移転、騒音、汚染など一連の問題が生じ、地元住民の間で強い不満の声が上がるようになった。住民は「三里塚芝山連合空港反対同盟」を結成して反対闘争を行った。当時は社会主義運動が活発に発展していた時代で、新左翼と学生もこの運動にかかわった。反対派は法的手段やデモ、時には暴力にも訴えて政府の新空港建設計画に反対した。

双方の衝突が激化し、警察と住民と間でしばしば死傷事故が発生した。政府は警備を強化して空港建設が無事行われるよう保障しなければならなかった。こうして成田は1978年5月20日、ついに開港した。政府はその後もしばらくの間は高度な警戒を緩めず、妨害事件の発生を恐れた。

やがて隅谷三喜男をはじめとする平和運動家らの調停により、95年に当時の村山富市首相が政府を代表して謝罪すると、現地住民の態度も和らぎ始め、事態はコントロール可能な局面へと向かっていった。成田の後に建設された関西国際空港や中部国際空港などの大型空港は、成田のケースから教訓をくみ取ったため、土地の接収や騒音などで問題が起きることは少なかった。また、成田のケースは他国が新空港を建設する際にも参考にされた。

そして今日、成田は建設当初の願い通り、日本最大の国際空港になり、開港以来の旅客輸送量はのべ10億人を超え、国内外の130を超える都市との間を就航し、第3滑走路の増設計画もある。

未来の成田の発展も「内憂外患」に直面するとみられる。まず日本国内での競争がある。成田は東京の都市部エリアから遠く、羽田空港を利用すれば東京都市部までの移動時間が1時間以上短くなる。羽田は8年前に大幅な国際化を進め、おととしには米デルタ航空と全日空が成田路線の一部を羽田に移した。東京五輪の開催が近づき、日本政府は一部路線を新設し、羽田の発着枠を増やすことを検討している。次に地方経済の発展とアウトバウンド観光客の増加にともない、地方の空港も市場シェアの大きな部分を占めるようになったことがある。航空会社を誘致して路線を開設するため、地方空港は魅力的な優遇措置を打ち出している。

さらに目をアジアに向けると、国際的重要空港である成田もうかうかとしてはいられない。世界の周航都市数と旅客処理能力の点で、成田は中国の香港国際空港、シンガポールのチャンギ国際空港、韓国の仁川国際空港などに負けている。こうしたアジアのライバル空港は新ターミナルビル、滑走路、航空路線の建設を加速し、国際競争が「白熱化」している。

「不惑の年」を迎えた成田が国内外のさまざまな挑戦にどのように立ち向かうか、日本の「正面ドア」の地位をどのように保つかが、今後じっくりと考えるべき問題だといえる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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