ロボットが介護、高齢化の日本にはやむを得ない選択―中国メディア

人民網日本語版    2018年4月20日(金) 20時50分

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「介護人材が数十万人不足する日本では、すでにロボットによる高齢者のケアが始まっている」。これはこのほど伝えられたニュースだ。ロボットと日本との結びつきは、多くの人にとって今や当たり前のことに感じられる。写真は日本。

「介護人材が数十万人不足する日本では、すでにロボットによる高齢者のケアが始まっている」。これはこのほど伝えられたニュースだ。ロボットと日本との結びつきは、多くの人にとって今や当たり前のことに感じられる。なんと言ってもロボット技術で世界トップクラスの日本では、ロボットが一般の労働者の代わりに働くよう普及拡大に力を注ぐことが、すでにごく当たり前のことになっているからだ。ロボットが介護人材に代わって高齢者をケアするようになった状況には、日本の高齢化と低欲望という社会の現実が映し出されている。中国網が伝えた。

日本は世界でも高齢化が最も深刻な国で、日本政府は若い世代に子どもを産むよう奨励する政策を次々打ち出すが、現実はほとんど何も変わっていない。日本の企業を視察する機会があれば、60歳を超えた高齢者が引き続き働く姿を目にするだろうし、老人ホームに70歳以下の人はほとんどいない。日本では少子化現象が続いており、高齢化の現実はひたすら厳しさを増すばかりだ。

1986年12月から1991年2月にかけて、日本は第二次世界大戦後では60年代の経済高度成長期に次ぐ2番目の成長周期を迎えた。だがこの時の経済的繁栄は大量の投機行為に支えられたもので、90年代初めにバブルが崩壊すると、日本経済は大きくつまずき、日本は「平成の大不況」と呼ばれる時期を迎えた。そして今、結婚適齢期を迎え、社会で働き始めた若者たちは、ほとんどがこの不況の頃に生まれた人たちだ。経営コンサルタントの大前研一氏は著書「低欲望社会『大志なき時代』の新・国富論」の中で、「日本の若者には欲望、夢、やる気がなく、日本は『低欲望社会』に陥った」と指摘する。

結婚せず、子どもをもたず、家を買わない。これは日本の多くの若者の現状だ。そして実際のところ、こうした現象をもたらした原因はただ一つ、「貧しさ」にあるといえる。低欲望は欲望がないということを意味するのではなく、「平成の大不況」の時代に大人になった若者の多くが、とりあえずその日を無事過ごせればいいと考えており、消費生活が至ってシンプルであることを言っている。これは無印良品ユニクロなどにあれほど人気が集まる理由の一つでもある。

日本のインフレ率は長らく1%以下が続いており、18年になってやや好転した。データをみると、18年3月はなんとか1.5%に達したが、安倍晋三首相と日本銀行(中央銀行)の通年目標である2%にはまだ遠い。

今の状況はそれほど悪くないし、未来がそれほど好転するとは思えないので、これ以上努力する必要はない。低欲望のこの「悟りきった」ような心境は、経済にとっては何のメリットもない。わかりやすくいえば、低欲望とは人々が消費に熱中しないことであり、消費は減少し、起業の利益も減少し、ひいては起業のリストラにもつながり、個人消費はさらに減少する。こうした悪循環が絶えず起きかねない状況の中で、経済の復興はますます困難になっていく。

低欲望社会では、高額の消費によってニーズを満たすことはできないため、安い価格の代替品を探してニーズを満たすしかない。いわゆる不況の時は口紅が売れる「リップスティック効果」というやつだ。経済が不況になると、収入が低下し、住宅購入、自動車購入、旅行といった高額の消費は望めなくなる。だが手元にはいくらか余裕があるので、要りもしない安いモノを買って心を慰める。経済の低迷は、低欲望社会と高齢化社会が生じる原因であり、また低欲望社会と高齢化社会がもたらす必然的な結果なのだ。

話を戻せば、ロボットが介護人材に代わって高齢者のケアをするというのは、西側社会でも中国でも倫理的に受け入れられないことだ。だが日本社会にとっては高齢化が進行し労働力の減少が続く中でのやむを得ない選択だ。ターミナルケアの問題に直面した場合はどうか。ロボットは所詮ロボットに過ぎず、今の状況をみても、人間に代わってすべての介護を担うことはできない。高齢者にとっては、ロボットは物理的な世話をしてくれて、ニーズは十分に満たせているかもしれないが、精神的なケアという点では、高齢者の気持ちを全面的に読み取り、理解してくれる存在はやはり人間しかいない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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