放射能漏れの影響に懸念「長期的には脅威に」―中国

Record China    2012年3月5日(月) 19時36分

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4日、中国国家海洋局の劉賜貴局長は「現時点の監視測定結果から判断すると、東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故は、今のところ中国が管轄する海域に影響を及ぼしてはいないが、長期的に見ればある程度の脅威となるだろう」との見方を示した。写真は大連。

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2012年3月5日、新華網によると、全国人民代表大会代表を務める中国国家海洋局の劉賜貴(リウ・ツーグイ)局長は4日、「現時点の監視測定結果から判断すると、東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故は、今のところ中国が管轄する海域に影響を及ぼしてはいないが、長期的に見ればある程度の脅威となるだろう」との見方を示した。人民網日本語版が伝えた。

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劉局長のコメントは次の通り。

2011年3月12日に福島第一原発で放射能漏れ事故が発生して以来、中国海洋部門は中国が管轄する海域において放射性物質が及ぼす影響に関する監視測定作業を続けている。海洋部門は、技術面での優位性を活かし、監視船による航行、沿岸(島)ベースステーションや海上石油プラットフォームにおける定点監測などの方法によって、多元化された放射線監視測定システムを構築し、中国が管轄する海域の空気、海水、海洋生物など主要海洋環境媒体に対する放射線監視測定を実施している。さらに、放射性汚染物質の拡散による影響予測を進め、放射能漏れ事故による放射性物質の長期的拡散について総合的判断を下し、事故が中国に及ぼし得る影響を分析・評価した。現時点での観測結果から見て、福島第一原発事故は今のところ、中国が管轄する海域に影響を及ぼしてはいない。

放射能漏れ事故に有効に対応し、最初の防衛線を張る目的で、海洋部門は関連作業の開拓に乗り出し、観測対象海域を日本の東・西太平洋海域まで拡大した。2011年6月と12月の2回、海洋環境放射性監視測定チームを福島の東部沖合まで派遣、海洋環境放射線観測を実施した。第1回監視測定の結果、福島の東・東南沖の西太平洋海域における海水および海洋生物(ムラサキイカ)に対する原発事故の影響はかなり大きいことが判明した。第2回監視測定の結果も近く発表される見通し。

放射能漏れ事故が中国の海洋環境に及ぼす影響について、海水動力の専門家は「海洋表層部を流れる環流の影響を受け、福島原発から漏出した放射性物質を含む海水は、主に東の方に流れ、当面は日本東部の西太平洋海域に影響が及ぶだろう。しかし、日本近海域には極めて複雑に動く中・小規模の渦が存在することから、放射性物質を含む海水の一部は太平洋の南西方向に運ばれる可能性があり、長期的には中国が管轄する海域にある程度の脅威を及ぼす。しかし、放射能汚染物の動きやそれが海洋環境に及ぼす影響をさらに正確に判断・予測する必要があり、長期間にわたる追跡観測や評価を行うことも必要だ」との見解を示している。(編集/TF)

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