熊本地震に思うこと=「どうして、日本人は、そんなことができるのだろう」―中国人学生

日本僑報社    2018年4月14日(土) 15時10分

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熊本地震から2年が経った。恵州学院の徐娜さんはこの地震について、作文につづっている。撮影:劉傑。

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熊本地震から2年が経った。当時、現地にいた中国人観光客らは「日本の人に助けられた」と語り、在日中国人からは地震の被災者に多くの支援が寄せられた。恵州学院の徐娜さんはこの地震について、作文に次のようにつづっている。

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「私は日本語が少し分かります。お手伝いできることはありませんか」

もし日本に行くなら、この言葉を使いたいと今私は思っています。訪日中国人が爆買い以外にできること?勿論たくさんあります。温泉、富士山、歌舞伎、桜の花、おいしいケーキ……。このテーマで作文を書き始めたとき、私の頭の中は日本で経験したいことでいっぱいでした。しかし、4月14日。大きなニュースが飛び込んできました。

九州の熊本地方を襲った大地震です。日本が地震の多い国であること、5年前、東北地方を襲った津波、原発事故……。忘れていたことが、次々と思い出されます。日本を旅行している最中に、地震が来たらどうしよう。爆買いどころか観光もできないよ!私は日本に行くのが、怖くなってしまいました。東京ディズニーランド、USJ、旭川動物園……。行きたかった観光地のリストを見ても、楽しい気分になれません。

日本人の先生に尋ねても、「日本に絶対に地震が来ないと言える所はない」と断言されました。どんな作文にすればいいのか、悩んでいるうちに九州を旅行していた中国人観光客が帰国し、被災地の冷静な様子や仕事を優先して観光客を避難させるホテルの従業員のことが中国でも話題になりました。地震が怖くないのかな。どうして、日本人は、そんなことができるのだろう。

旅行中に、日本で地震にあったら、自分ならどうするか。時間がたつに連れて地震に対する恐怖も薄れ、私は地震が襲ってきたときのことを考え始めました。日本を旅行する中国人のほとんどは日本語が話せません。言葉の分からない外国で突然災害に遭遇したら、きっとパニックになるでしょう。その人たちに比べれば、私は日本語ができるほうだと言えるでしょう。パニックになりやすい中国人のために日本語の通訳ができないだろうか。ニュースや緊急情報を教えてあげることはできないだろうか。いつの間にか地震を怖がる気持ちが消えて、自分の日本語能力を使えないかと私は真剣に考えるようになりました。海外では中国人は冷静な行動ができないと言われています。しかし、中国人には団結することができます。

誰かが正しい情報を伝えればみんなそれに従います。互いに助け合って困難を克服することができます。そんな中国人の姿を日本人に知ってほしい。通訳は中国人のためですが、通訳がいれば混乱する現地の日本人の負担を減らせます。私は医者ではありませんから、けが人を手当てすることはできません。お金持ちではありませんから、大金を寄付することもできません。力もありませんから、壊れた建物の下から人を助け出すこともできないでしょう。しかし、「人に迷惑をかけない」という、これまでずっと勉強してきた日本人の考え方を中国人に伝えることができます。中国人の要求を日本人に伝えることができます。

中日両国の関係は現在理想的な状態だとは言えませんが、災害や困難に見舞われたときこそ互いに助け合うことができると私は信じています。そこから理解を広げていけると思っています。訪日中国人が爆買い以外にできることは、自分の行為と態度で中国人を示すことです。だから、私は中国人を理解してもらうため、中国人と日本人の両方に役立つことをしたいと思います。

今、私は日本にいませんが、中国人を理解してもらうために、熊本の人々に向かって言いたい。「お手伝いできることはありませんか。私たち中国人は皆さんを心から応援しています」。最後になりましたが、今回の地震で被災された方々の安全と、被災地域の一日も早い復興を心から願っています。(編集/北田

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、徐娜さん(恵州学院)の作品「訪日中国人、爆買い以外にできること」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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