<直言!日本と世界の未来>南北朝鮮・米朝・日中韓…「トップ対話」へ急進展=これからが日本外交の出番―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2018年4月15日(日) 6時0分
南北朝鮮・米朝・日中韓「トップ対話」へ急進展=日本外交、正念場に
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東アジアを巡る情勢が急展開。平昌五輪を機に南北朝鮮融和ムードが醸成され、金正恩朝鮮労働党委員長と文在寅大統領による首脳会談が4月27日に板門店で開かれることになった。驚いたのはトランプ大統領と金委員長が史上初の首脳会談を開くとのニュースである。
東アジアを巡る情勢が急展開している。平昌五輪を機に南北朝鮮融和ムードが醸成され、金正恩朝鮮労働党委員長と文在寅大統領による首脳会談が4月27日に板門店で開かれることになった。その後、トランプ大統領と金委員長が史上初の米朝首脳会談を開催するとの大ニュースが飛び込んできた。

私は本コラム『平昌冬季大会に感動、「平和モラトリアム」を永遠に』(2月25日)で、「大会終了後も平和と協調が続くよう願いたいものだ。4年に一度のせっかくの機会に生まれた友好ムードを生かして、南北統一へ弾みをつけてほしい。同時に米朝間の対話も、軍事衝突という最悪に事態に陥らないよう進めてほしいと切に思う」と訴えた。その後の推移は対話路線が重視され、「わが意を得たり」と心強く思っている。

電撃的な中朝首脳会談が3月下旬に開催され、金委員長と習近平国家主席は「朝鮮半島の非核化の実現」で一致した。金委員長は「南朝鮮(韓国)と米国が善意をもって応じ、平和実現のために段階的、共同歩調の措置を取るならば、非核化の問題は解決できる」とし、中国側が要求した「6ヵ国協議」への復帰も表明した。

米朝会談は5月か6月の開催に向けて準備が進められているようだ。金委員長が、ロシアを訪問する可能性も浮上している。

これら歴史的な動きが急速に進展したため、日本が「蚊帳の外」に置かれかねないとの懸念もあるようだが、あわてることはない。日本の出番はこれからだと考えている。

日本が外交戦で「敗者」とならないために、安倍外交にはしたたかさが求められる。これまでの「対話より圧力」「100%米国とともにある」という直線的な外交から脱却して、全方位外交を心掛けるべきであろう。

安倍首相は4月17、18日に米国を訪問し、トランプ大統領と会談する。急展開する朝鮮半島情勢や米国の鉄鋼・アルミニウム輸入規制問題が協議されるとのこと。トランプ大統領は「アメリカ第一主義」に徹しており、対日貿易赤字の削減要求が強まる可能性もあるようだ。トランプ氏は中国に次ぐ対米貿易黒字国の日本について問題視する発言をしており、わが国経済界にとっては気懸りだ。

こうした中、日中韓首脳会談が5月9日に東京で開催されるとのこと。李克強首相や文大統領と安倍首相との2国間首脳会談も予定されているというから、平和友好と経済相互発展へ率直な話し合いを期待したい。同月には日露首脳会談も予定されている。

安倍首相は日朝首脳会談を北朝鮮に打診したと報じられているが、一つの方策であろう。拉致問題を抱える日本にとって積極的な対応が求められる。
<直言篇47>

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。
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