蔡英文政権に軍事的圧力強める中国、台湾の世論調査では6割強が侵攻「あり得ない」

Record China    2018年4月28日(土) 10時30分

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台湾周辺の海域や空域で中国軍の動きが活発化している。それでも台湾の世論調査では中国による台湾侵攻の可能性は「ない」と考える人が6割強に上っていることが分かった。 写真は台湾。

2018年4月27日、台湾周辺の海域や空域で中国軍の動きが活発化している。一連の軍事活動について、中国側は独立志向の蔡英文政権に明確なメッセージを送るため、と警告。それでも台湾の世論調査では中国による台湾侵攻の可能性は「ない」と考える人が6割強に上っていることが分かった。

台湾国防部などによると、中国軍のH6爆撃機やY8電子戦機、TU154情報収集機など複数の軍用機が18日から3日連続して台湾周辺で訓練を行ったことを確認。沖縄本島と宮古島の間の公海上空を飛行して西太平洋に入り、台湾の南のバシー海峡を通過して基地に戻った。

中国の空母「遼寧」や駆逐艦など計7隻も西太平洋での遠洋航海訓練に向け、19日夜にバシー海峡を通過。遼寧からは複数の艦載機が飛行した。中国軍は18日にも、台湾海峡の大陸側で実弾射撃演習を実施している。

中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は25日、「台湾の独立派が自由に活動を続ける場合には一段の措置を講じる」と強調。「われわれは台湾独立派のいかなる企ても頓挫させ、中国の主権と領土保全を維持するための固い決意、十分な自信と能力を備えている」と述べ、「軍事演習は台湾海峡の平和と安定、両岸(中国大陸と台湾)の人々の利益の維持が目的だ」と説明した。

一方、台湾メディアによると、民間団体の台湾民意教育基金会が23日に発表した最新の世論調査の結果で、中国による台湾侵攻の可能性は「ない」と考える人は64.5%。「ある」と答えた人の割合を大きく上回った。調査は今月15〜17日、台湾に住む20歳以上の男女を対象に電話で実施。有効回答件数は1072件だった。

台湾側が中国軍に打ち勝つ見込みは「ない」とした人は65.4%。中国が台湾を攻めてきた場合、米軍が台湾を助けるために「出動する」と思う人は47.4%で、「出動しない」と思う人は41.0%だった。18日の台湾海峡での実弾射撃演習については、両岸関係の改善に「寄与しない」と答えた人は86.1%に達した。

台湾の現在の国際的地位に関して、「不満」だとした人は69.9%。「両岸関係は外交関係より重要であり、中国側を刺激しないよう、国際的地位の向上に向けた努力をやめるべきだ」とする項目に「反対」と答えた人は65.6%に達し、「賛成」の人は23.5%にとどまった。

調査結果を受け、蔡明憲・元国防部長(国防相)は軍の士気を高め、国防部の年度予算を引き上げるべきだ、と蔡総統に提言。国防部は中国軍の活動に関し「すべて監視、把握している」として、市民に安心するよう呼び掛けている。台湾は中国の侵攻を想定した「漢光34号演習」を6月4日から5日間の日程で実施する予定という。(編集/日向)

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