<中国人観光客が見た日本>電柱や郵便ポストでは隠せない東京の「寂しさ」

Record China    2018年3月31日(土) 12時0分

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30日、中国のネット上に東京へ一人旅に出かけた中国人観光客の手記が掲載された。写真は作者提供。

2018年3月30日、中国のネット上に東京へ一人旅に出かけた中国人観光客の手記が掲載された。以下はその内容。

今回もやはり1人で出かけた。私にとって日本とは、基礎インフラが非常に人に優しい国であり、ぜひとも体験したいと思った。私が出かけるころ、日本から来たカエルの旅行ゲームアプリが突然人気となった。ハハハ!私は本物の人間でゲームを遊ぶことになるね。

私の東京に対する第一印象は、電子回路のように複雑な地下鉄の路線図だ。9本のメトロと4本の都営地下鉄、それにJRと私鉄が入り混じっていて、本当に混乱する。前に来たことがあり、出発前には何度も研究し、実際に描いてみたものの、やはり地下鉄駅の中では足を止めて路線図をじっくり見なければならず、まるで目的地が地図から消えてしまうかのようだった。幸い、駅員さんがすぐに近づいてきて助けが必要かと聞いてくれた。

聞くところによると、新宿駅には100以上の出口があるそう。しかもJR新宿駅、新線新宿駅、西武新宿駅、京王新宿駅、小田急新宿駅、東京メトロ新宿駅、都営地下鉄新宿駅はそれぞれ異なる駅で、相互に連結していて、新宿地区全体が巨大な迷路のようになっている。私はもうあの日にどの出口から出てきたのかも覚えていないし、出てきてからもそこがどこなのか分からなかった…。ここはどこ?私は誰?私は何をするの?…まさにロスト・イン・新宿状態だ。

早朝の浅草寺は、小学校低学年の児童が先生の話す江戸時代の物語に耳を傾けていて、あどけない顔は分かったような分からないような表情で、周囲の鮮やかな紅色に塗られた古い建築物を見まわしている。高学年の児童は、数人の友人と一緒に笑ったり話したりしながらくじを引いたり、仲見世通りの両側の店を見て回ったりしている。私は、観音堂の香炉の前に立ち、数秒ためらってから煙を頭に振り掛けた。香炉の煙は健康と幸運をもたらすという意味があるのだ。隣にいた高齢の夫婦は、私が旅行客だと分かったようで笑いながら手本を見せてくれた。日本語が分からない私は、ただ微笑んで感謝を示すことしかできなかった。

きらびやかな東京は、昼間はお面をかぶっているかのようで、陽の光のもと、代官山の各カフェではどこも清らかな甘い香りを漂わせている。表参道ではどこのショーウインドーからも優雅で格調高い雰囲気を漂わせ、東京タワーの下では若いカップルが愛を語っている。ゆりかもめ号の先頭車両に立って夕日がレインボーブリッジにかかるのを見ると、まるで日本ドラマの中に自分がいるかのようだ。名も知らない通りや郵便ポスト、電柱、看板のどれも、日本映画の文芸感を醸し出している。

空が徐々に暗くなり、東京タワーが真っ先に目印となるオレンジ色の光を放つと、その他の建築物も明るくなっていく。代々木ビルの変わった外観はビル群の中でもとりわけ際立っており、天気の良い日には遠くにスカイツリーを見ることができ、東京湾のきらめきや、反対方向には富士山でさえ夕焼けの中にその影を見ることができる。

しかし、どんなに多くの電柱や郵便ポストがあっても、東京の寂しさを隠すことはできない。電車内の疲れた顔、交差点の忙しそうな背中、居酒屋の徹夜の長話、夜明けの泥酔したスーツ姿のサラリーマン…。どの通りを見ても似たような景色で、そこに広がるのは変わった形の高層ビル、冷たいブルーのガラス、永遠になくならないネオンの看板なのだ。

東京の街中では、特に意識しなくても小さなかわいい神社をよく見かける。規模は大きくないが、それでも参拝者は決して適当にはしない。手を合わせ、お賽銭を投げ入れ、鈴を鳴らし、願い事をしている。京都には非常に多くの神社仏閣があるが、それと比べると東京の神社やお寺はそれほどでもない。しかし京都はずっと古代の中で生きているのに対し、東京はそうではないのだ。新宿渋谷にある歓楽街を見るからこそ、これらの信仰がより貴重に感じられるのである。(翻訳・編集/山中)

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