2018年3月21日、米華字メディアの多維新聞は、「韓国国民の健康を脅かす微小粒子状物質（PM2．5）の多くが中国から流入しているという科学的根拠が出た」とする韓国メディアの報道を紹介した上で、「韓国が中国を告発する動きに出た」と報じた。

記事によると、韓国紙・東亜日報は21日、韓国標準科学研究院（標準研）ガス分析標準センターのチョン・ジンサン責任研究員のチームが20日、「中国発の微小粒子状物質の国内流入の根拠を確保した」と発表したことを伝えた。

東亜日報によると、微小粒子状物質は、石炭などの化石燃料と薪などのバイオマス燃料を燃やす時に主に発生する、2．5マイクロメートルより小さなほこりだ。気道で濾過されず、そのほとんどが肺胞まで浸透して、さまざまな心血管疾患を誘発することが知られている。

中国で発生した微小粒子状物質と韓国で発生したものはその成分が似ていて、中国発という証拠を見つけることが容易でなかった。だが標準研の研究チームは、中国が春節（旧正月）期間中に爆竹遊びを大々的に行い少なからぬ微小粒子状物質が発生することに注目し、中国の微小粒子状物質が韓国に流入したことを示す動かぬ証拠を突き止めたという。

研究チームによると、春節期間中の朝鮮半島の微小粒子状物質の濃度は、通常、1立方メートル当たり51〜100マイクログラム程度の「悪い」レベルと表示されるという。そこで、微小粒子状物質の成分のうち、爆竹とバイオマスの両方を燃やすときに共に排出されるカリウムと、バイオマス燃料を燃やすときだけに排出されるレボグルコサンの二種類の濃度を測定するシステムを開発し観測したところ、17年1月末の春節期間中のカリウム濃度は7倍以上も急激に上がったが、レボグルコサンの濃度は変わらなかったという。

東亜日報は、「韓国地質資源研究院が16年に黄砂の中の重金属の87％が中国産だという事実を究明したことはあるが、微小粒子状物質の流入根拠を確保したのは今回が初めてだ」とも伝えている。

研究結果は、国際学術誌「大気環境（Atmospheric Environment）」4月号に掲載されるという。（翻訳・編集/柳川）