「福島の原発事故の後、私は反省しました…皆さんはどう思う?」=先生の質問に誰も答えることができなかった―中国人学生

日本僑報社    2018年3月11日(日) 13時10分

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東日本大震災から7年が過ぎた。長江大学の梅錦秀さんは、偶然見た福島の写真と日本語の授業から、「それまでよくわからなかった」という「人生の意味」を感じ取ったようだ。

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東日本大震災から7年が過ぎた。長江大学の梅錦秀さんは、偶然見た福島の写真と日本語の授業から、「それまでよくわからなかった」という「人生の意味」を感じ取ったようだ。以下は梅さんの作文。

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先日、たまたま福島県の写真を見て、何か心境が変わったような気がする。ズラッと並んでいる車が緑の植物に取り囲まれている。学校の図書館の本が散らかっている。商店の棚が倒れぐちゃぐちゃになっている。体育館に大穴が開いている。牧場の裂かれた地面が無言のまま地震の怖さを伝えている。教室の黒板に当日の時間割が残り、時間がその時のまま止まったようだ。

「チャンスがあれば、私は福島に行きたい」。私の話を聞いて、友達はすぐからかった。今福島と言ったら、誰もが原発事故の恐ろしい出来事を頭に浮かべるものだ。しかし、私は自分もみんなも福島と全然関係がないと思うことが出来ない。

ある日本語の授業で「インドの旅」という文章を習った。その文章は1980年代のインドを扱っていて、電気もちゃんとした家もなく、路傍で日に2ルピーで生きる庶民の姿を描いている。現代生活にすっかり馴染んだ私は、そんな生活をもちろん受け入れない。先進国の日本のように、便利且つ快適な生活をすることこそ、私たちがずっと憧れている理想的な生活だ。だから、作家が日本の快適な生活を批判するのがあまり理解出来なかった。

しかし、先生の説明を聞いて、私はちょっと自分の安易な考えに不安になってしまった。「実は、福島で事故が起こった後、私は反省しました。今の東京の生活様式は本当にいいですか?東京では街灯がならんでいて、夜でも昼のように明るいです。しかし、あんなにエネルギーを使い放題にしていて本当にいいですか?皆さんはどう思う?」。教室はしんとしてしまって、誰も答えることができなかった。

文章の中で「ひたすら快適さを追い求めた」という言葉を見て、爆買いに夢中な中国人の姿、80年代の日本経済の繁栄、福島の風景が頭に浮かんで、私はますます迷ってしまった。80年代、日本はバブル経済を迎えた。その繁栄のなかで「お客さまは神様」という言葉さえ生まれた。あまり日本文化を知らない中国人でもこの言葉に馴染んでいると思う。しかし、残念なことに、中国では顧客だけがこの言葉を受け入れたようだ。製造業には問題が絶えない一方、海外へ行って自分が神様になったつもりで、思う存分に振る舞う。そうした中国人の観光客のマナー違反がしばしば指摘される。

この言葉自体、私は良くないところがあると思うのだ。客の満足を追求した結果、資源の浪費に繋がることは容易に想像できるだろう。スーパーで商品を何重にも包むとか、レストランで割り箸を使うとか、夜になっても煌々と明るい電気とか、誰でも当たり前だと思って、資源をどんどん使うようになった。本当にそういう必要性があるのか。確かに、経済の発展、国民の生活水準を上げるために、その道を歩まざるをえないが、それは限りなく高い生活水準を求めることとイコールではないと思う。

しかし、世の中は依然として前に進んでいて、中国人は快適な生活を求めるために日本に殺到し、自分たちが4年半前、放射能対策に先を争って一所懸命塩を買いだめしていたことはすっかり忘れたようだ。

社会の発展はあまりにも早くて、私は自分ひとり置き去りにされてしまうのを怖がって、ひたすら走って追いかける。しかし、常に走っている私たちは周りの影響を受けやすく初心を忘れがちだ。時々、ゆとりを手に入れても物質的なものにしか目が向かない。止まったのは福島県の避難地域だけだ。白い防護服を着た2万人の作業員たちが除染作業を行っている。そこを大切な故郷として、大切な思い出を持っている人々は今馴染みのない町で避難生活を余儀なくされている。生活の意味とか、人生の意味とか、昔は、考えてもわからなかった。しかし、その時間が止まった街の写真を見て、私はなんだかわかったような気がするのだ。(編集/北田

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、梅錦秀さん(長江大学)の作品「爆買い以外でしたいこと」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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