新冷戦の気配見え隠れ、米トランプ政権、中ロに対抗し今度は「核戦略見直し」、「断固反対」「徒労に終わる」と中国

Record China    2018年2月11日(日) 15時50分

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新たな冷戦の気配が見え隠れしている。米国のトランプ政権は中ロに対抗して核の役割と能力を拡大する「核戦略見直し」(NPR)を公表。中国は「断固たる反対」を表明し、「徒労に終わる」とも非難している。写真は米ワシントン。

2018年2月9日、新たな冷戦の気配が見え隠れしている。米国トランプ政権は中国とロシアを国際秩序の現状変更を目指す「修正主義国家」と位置付けた「国家防衛戦略」に続き、核の役割と能力を拡大する「核戦略見直し」(NPR)を公表した。これに対し、中国は「断固たる反対」を表明。「徒労に終わる」とも非難している。

新冷戦の影は欧州にいち早く忍び寄っている。ウクライナ危機に介入したロシアは2014年3月、クリミア半島併合に踏み切り、強まるロシアの脅威に対して北大西洋条約機構(NATO)はポーランドやエストニア、リトアニア、ラトビアのバルト3国に多国籍部隊を展開している。スウェーデンは1月に徴兵制を復活させたほか、米CNNによると、戦争に巻き込まれる事態を想定した備えを呼び掛けるパンフレットを春にも470万世帯に配布するという。

米国の今後5〜10年間の核政策の指針となるNPRの策定は、オバマ政権下の2010年以来。中国やロシアによる急激な核戦力増強や北朝鮮による核開発など、安全保障をめぐる環境が大きく変貌したとの認識を土台とし、今日のさまざまな脅威に対応するには「柔軟かつ多様な核戦力」が必要としている。

具体的には、潜水艦発射弾道ミサイル搭載用の核弾頭を改良し、爆発を小規模に抑える機能を付加すると明記。長期的には海洋発射型の核巡航ミサイルを開発する方針を示した。米国や同盟国のインフラなどに対する非核攻撃にも核で報復する可能性も示すなど冷戦後、米ロが続けてきた核軍縮の流れには逆行する形だ。

NPRについて、中国国防部の任国強報道官は「中国の核戦力が脅威だと誇張しており、断固反対する」との談話を発表。「米国は世界最大の核兵器庫の保有国であり、この流れに自ら順応すべきで、反対の方向に向かうべきではない。中国は米国が冷戦思考を捨て、自らの核軍縮の特殊かつ優先的な責任を確実に負い、中国の戦略意図を正しく理解し、中国の国防と軍隊の建設を客観的にとらえることを望む」と主張した。

外交部の耿爽報道官も「中国側の政策とやり方を勝手に曲解することで、自らの核兵器拡大・強化の口実を得ようと企てているが、徒労に終わるのは明らかだ」と反発。「米側が冷戦思考、ゼロサム思考を棄て、対立的観点から大国間関係を見るのを止め、平和と発展という時代の大きな流れに順応し、国家安全保障における核兵器の役割を引き下げ、的確な行動で国際平和・安定を維持することを望む」と強調した。

さらに中国人民解放軍機関紙・解放軍報は南シナ海をめぐり、ハリス米太平洋軍司令官が中国を地域の「破壊的パワー」と批判したことに言及。「中国とアジア各国が地域の協力と統合を積極的に推し進めている際に、西側のある国は中国と係争を抱える南シナ海周辺国と中国との対立を公然とあおった」と述べ、「破壊的パワーのレッテルを中国に貼るのは全く当たらない」と反論している。(編集/日向)

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