米中間に暗雲、米国防戦略が中国を「修正主義国家」に、国営メディアはトランプ大統領の「米国第一」批判

Record China    2018年2月2日(金) 21時10分

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米国と中国の関係に暗雲が立ち込めている。米国が「国家防衛戦略」で中国をロシアと並んで「修正主義国家」と位置付けたことに中国は反発。国営メディアはトランプ米大統領の「米国第一」を「理解しがたい論理」と非難している。資料写真。

2018年2月2日、米国と中国の関係に暗雲が立ち込めている。米国が最新の「国家防衛戦略」で中国をロシアと並んで国際秩序の現状変更を目指す「修正主義国家」と位置付けたことに中国は反発。国営メディアはトランプ米大統領の「米国第一」を「公平な貿易とイコールで結ぶ理解しがたい論理」と非難している。

米国防総省は先ごろ、国家安全保障や軍事政策の指針となる新たな「国家防衛戦略」を公表。この中で中国をロシアと共に自国の権威主義モデルに沿った世界の構築を目指す「修正主義国家」と呼び、両国の挑戦に対抗する米国の強い決意を示した。米国は過去15年あまり、イスラム過激派との戦いを国防戦略の優先課題としてきたが、方針を転換した形だ。

マティス国防長官は「われわれはテロリストとの戦いを遂行し続けるが、現在の米国の国家安全保障の優先課題はテロリズムではなく、大国間の競争だ」と言明。国防戦略は中国について「軍隊の近代化を追求し、近いうちにインド太平洋地域で覇権を築くことを目指している」と指摘し、「将来的には地球規模での優位を確立し、米国に取って代わろうとしている」と警鐘を鳴らした。

これに対し、中国外交部の華春瑩・報道官は「冷戦思考と(一方の利益が他方の損失になる)『ゼロサムゲーム』の時代遅れの観念に満ちている。中国の外交・国防政策を故意にゆがめて大国間の戦略的競争を誇張し、根本的な誤りを犯している」と痛烈に批判。「米国は中米関係の長期にわたる健全で安定した発展を維持すべきだ。これこそが両国の人民と世界各国にとっての有益で正確な選択に合致する」と主張した。

中国国防部も「中国は平和発展の道を歩み、防御的な国防政策を実行しており、軍事拡張はしない」と反論。「中国に『覇権追求』のレッテルを貼ることはできない」と強調した。

さらに中国国営新華社通信は1月末にスイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、トランプ大統領が「米国第一」を重視する一方、「自由貿易を支持する。ただし公平で、互恵的でなければならない」と述べたことに言及。「米国第一と公平な貿易をイコールで結び、理解しがたい論理を繰り広げた」と論評した。

この中では「米国は以前、自由貿易によって他国の門戸を開かせ、先進技術と国際ルールの掌握・コントロールによって大きな経済的利益を獲得してきた」と指摘。「国際貿易投資に参入した新興経済体の発展と成長に伴い、米国の利益に競争と試練が生じると、米国第一の公平な貿易を主張するようになったのである。ボクシングの試合に例えると、体力が優れている時は多くの試合に出場し、体力不足の時はルールを改正して『自分優先』としているかのようで、このようなやり方はしたい放題というものではないのか?」と皮肉っている。(編集/日向)

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