<コラム>日本の観光業は外国のエージェントがやりたい放題、なのに有資格者の管理を強化

配信日時:2018年2月4日(日) 16時10分
日本の観光業は外国のエージェントがやりたい放題
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今年の1月4日から、我々通訳案内士は全国通訳案内士と地域通訳案内士という名称に変更になりました。同時に通訳案内士の資格を持たない人間も我々と同様にガイド業務が出来るようになってしまいました。写真は皇居周辺の観光客。
今年の1月4日から、我々通訳案内士は全国通訳案内士と地域通訳案内士という名称に変更になりました。同時に通訳案内士の資格を持たない人間も我々と同様にガイド業務が出来るようになってしまいました。

今後、我々全国通訳案内士は、平成31年までに観光庁が実施する研修(無料)を義務付けられ、さらに平成32年から観光庁長官の登録を受けた登録研修機関研修(有料)を5年毎に受講する義務が発生、受講しないと免許が取り消され、免許取消後は2年間登録が受けられないことになります。

新人の全国通訳案内士ならともかく、この道50年以上の大御所にも今さらこのルールを適用するんですかね?また、全国通訳案内士として活躍しているガイドさんの中には、通訳案内士団体に所属せず、1人で仕事をバリバリこなしていらっしゃる方も多数います。観光庁長官の登録を受けた登録研修機関が一体どこになるのか分からないが、全国の会員が登録する大手の通訳案内士団体になるのだろうけど、そもそも通訳案内士団体が日本弁護士会やら日本医師会のような1つの大きな組織になった上での研修にならないと意味がないと思われます。現状は日本のあちこちに通訳案内士団体がありますのでね。それぞれ違う研修をやっていたら、ばらつきが出るではないでしょうか。

それと、今年の4月から全国通訳案内士にはバッジが配布されとの情報があります。配布先は通訳案内士団体経由だそうですが、通訳案内士団体に属せず活躍している通訳案内士の方々には失礼ですよね。なぜ観光庁もしくは各都道府県の窓口ではないのでしょう。バッジがなくても、我々にはIDカードがありますが、身に付けていない方が圧倒多数です。通訳案内士法には必ずIDカード着用とは書いていませんし、バッジに至っては法律にすら明記されていません。

バッジもどんなものかまだ分かりませんが、通訳案内士でない者でもガイド業務を行える今となっては、そのバッジに何のメリットがあるのだろう。研修にしたって我々が真面目に受講している間も、無資格の連中はどこ吹く風とツアーを展開していく。研修、研修というが、研修だけでは優秀なガイドは育たない。ベテランになればなるほど日頃から自腹を切って下見をするなど日々の研鑽(けんさん)があるからこそ、お客様を満足させるガイディングが実現できるのです。

この通知が届いた時、台湾人通訳案内士と香港人通訳案内士から私に連絡がありました。国は納税もしない無資格ガイドを放置しておいて国家資格を持つ我々を保護するどころか、さらに我々への管理を厳しくし、外国のエージェントのやりたい放題の現場を放置するのかと。全く同感です。法律改正に関わった著名人やら専門家は現場を見てから判断してほしかったです。ガイドの仕事から離れつつある通訳案内士も増えてきました。今年の年賀状は仕事が減ってきていると嘆く全国通訳案内士の声も多く聞かれました。一方で全国通訳案内士の資格を持ちながら、白タクやら車内販売などをする人も居ると聞きます。通訳案内士にレンタカーを借りさせ、運転しながらガイドができないかリクエストしてくる旅行会社もあると聞きます(道路運送法違反)。今日も業界はブラックの嵐が吹いています。

■筆者プロフィール:YinYin
1964年生まれ。千葉県出身。北京留学後、日本の大手商社の中国駐在員として活躍。千葉県警初の国際捜査官(北京語・巡査部長採用)の経歴を持つ。さらに、中国語通訳案内士の資格を有し、司法通訳(警察・地検・地裁・入国管理局)、医療通訳など、マルチに活躍している。
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