【週末美術館】現代文明の犠牲者

Record China    2011年9月17日(土) 13時52分

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古典的、写実的表現手法を用いながら強い中国的な色彩を帯びた作品を世に送り出す画家・項仕中。「文明シリーズ・機械化時代」と題した作品では、文明に絡めとられた現代人の姿を投影している。

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西洋画の技法としては古典的なテンペラを主に用い、極めて写実的な表現をとりながら同時に、強い中国的な色彩を帯びた作品を世に送り出す画家・項仕中(シアン・シージョン)。「写実こそ想像力が重視される」との考え通り、現実を鋭くとらえつつ、中国の芸術が重視する「写意(心象表現)」をとりこんだ作風が強い印象を残す。

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「文明シリーズ・機械化時代」と題した作品では、文明に絡めとられた現代人の姿を投影している。人々に富をもたらしながら、人類に変異を与えた現代文明。便利な生活を享受しながら環境汚染と戦わなければならないもろ刃の剣。項はこれを、ギリシャ彫像のラオコーン像をモチーフに皮肉った。ラオコーンとは、トロイの木馬に警鐘を鳴らしながらそれを信じてもらえず、逆に征伐されてしまう悲運の神官である。(文/山上仁奈)

●項仕中(シアン・シージョン)

1971年生まれ、浙江省出身。1992年に中国美術学院、2006年に首都師範大学を卒業。上海と北京のアトリエで油彩画の研究をしたのち、現在は西安美術学院油彩画学科で講師を務める。代表作に「文明シリーズ・機械化時代」「文明シリーズ・中国焦点」「理想国」など

写真提供:匯泰国際文化発展有限公司(中国・天津

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。

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